初体験

初体験—13 GAME







「・・・ちょっと待ってろ。」

透「・・・ッ?」






すぐにでも奪いたい欲求を捻じ伏せ、透の上から退いた。

そして足早にクローゼットの中からゴムを掴んできた。


意識が朦朧としてるのか。

透は今にも眠りそうな目でボーっと俺を見てる。







透「えっ---」







再び透の上に戻り、シャツのボタンを外していく。

すると眠そうに細められていた目がパッと覚醒。
ベルトに手をかけると表情に焦りが浮かぶ。

どうやら状況を理解したらしい。








だが、もう遅い。








服を床に放り投げ、手早くゴムを装着した。








透「ちょっと待っ---!」
「逃げるな。」







逃げるように捩れる腰を強引に引き寄せた。

そして痛いくらいに反り立った自身を割れ目に押し付ける。






透「---ぁ、んッ!」






クチュクチュッ・・

慣らすように滑らせると卑猥な音が部屋に響く。





---俺に感じてる証拠





そう思うと自然に口角が上がってしまう。







透「---晋っ・・・待て・・ッ!」







待て、だと?

ふざけんじゃねぇ。
お前は俺を殺す気か。







「待てねぇ。」







そうだ。
もう待てねぇ。







透「晋ッ---」
「ん。」
透「---待・・・て--!」
「聞こえねぇ。」
透「ぁッ---!」







抵抗する体力は残ってないらしい。

潤んだ目で俺を見つめ、弱々しく「待て」と訴える透。







だが、何度も言うがもう待てない。







膝裏に手を入れ足を開かせる。







そして再び自身を割れ目に宛がった。







後はもう、腰を進めるだけ---










(・・・・・。)










「・・・なぁ、透。」

透「んッ・・ッ----」


















「・・・いいか?」


















焦りに揺れる瞳を真っ直ぐ見つめて









聞いた。









別に同意が欲しかったわけじゃない。

無理矢理組み敷いてるようなもんだ。

ダメと言われるに決まってるし
ダメと言われても今更やめるつもりはない。








だがなんとなく








ただ、ちょっと聞いてみたくなっただけだ。









透「----ッ」

「え・・・」









そんなことを聞かれると思ってなかったのか。

ビックリしたように目を見開き、慌てて視線を逸らした透。













そして恥ずかしそうに、小さく頷いた。














・・・ような気がした。












透「な、に--言ってんだ・・・」
「----。」
透「---ダメだ・・!」
「----。」
透「も・・やめろ・・!」
「----。」








モゾモゾと動き出す透。

そして膝裏を支える俺の手首を握り足を閉じようと頑張る。







透「晋ッ---コラッ、手を退けろッ!」







牽制の言葉と必死の抵抗。

これは明らかに逃げようともがいている。

当然だが、あの同意はやはり勘違いだったようだ。










だがダメだ。










軽く、頭の中の何かが切れた。










さっきの勘違いが、頭から離れない。










透の言葉が・・・

拒否の言葉が全く耳に入ってこない。












透「---晋っ!?ダメッ----ゃ、ぁぁっ!!」











沈み込ませるように腰を進める。











透「ゃッ---あッ----!!」











「優しく」なんて無理だ。







だがせめてもの言い訳に
出来る限りゆっくり透に侵入する。









透「し、んッ---ぁッ--やめっ!」
「----っ・・!」









悦んでいるのか
拒んでいるのか

痛いくらいに俺を締め付け、そして押し返そうとする。







こんな時、強引に貫きたくなるのは俺だけじゃないはず。







だがその衝動をねじ伏せ







ゆっくり、ゆっくり







透のナカへ押し入っていく。










透「あ---は・・・・ぅッ--!」










繋がりが深くなるに連れ、刺激を受け流そうと腰を悶えさせる透。

本来ならその無駄な足掻きを楽しむのも情事の一興。








だが今は、そんな余裕は無い。









「透・・・」
透「はっ、ぁッ----晋ッ--!」









悩ましげに眉間に寄せて俺を見上げる透。

そして左手は助けを求めるようにシーツを掴み

収まるところが見つからないのか、右手は小さく震えながらさまよってる。







その手を取って、指を絡ませて







そのままベッドに押し付けながら







透を覆うように体を倒した。








透「ゃッ---あ、ぁぁっ!」








体を傾けたことで強制的に深まる繋がり。

それに伴って締め付けが激しくなる。








(や、ば----)








やばい。
なんか色々やばい。









「透・・・力抜け--」
透「いやッ---晋っ・・やめ・・・てッ!」









(これは、ダメだ---)








ゾクゾク感が半端じゃねぇ。

強引に突き入れたくて
乱暴に突き上げたくて

このまま我慢したら絶対ぶっ飛ぶ。

透をめちゃくちゃにしてしまう--







「透、俺を見ろ。」
透「ゃ、やめ---ッ!」







いやいやと必死に首を振る透。


だが俺も必死だ。

頭の後に手を入れて強引に上を向かせる。

そして唇に食らい付き、無理矢理舌を捻じ込んだ。








透「んっ!---ん・・ぁッ・・・!」








頼むから力を抜けと念じながら口内を犯す。

熱を持った舌に自分のを絡みつけ、軽く噛み付き強く吸い上げる。








透「ぁ----ぁ、んッ・・・」








こんな状況なのにキスには感じるのか。

キスが深くなるに連れ体の力が抜けていく。






唇、手、背中、腰

少しずつ強張りが解けて---










透「んッ!んぅッ---------ッッ!!」










締め付けが怯んだ隙に










奥まで一気に突き進んだ。










透「------ンッ!------んッッ!!」
「----!」








(お、おいっ---)








喉を反らし悲鳴を上げる透。


細い体をビクビクと震わせて
繋いだ手を強く握り締めて






そして






ナカを激しく痙攣させる・・・








「---っ・・!」









(ウソ--だろ---)









一難去ってまた一難。

苦し紛れに唇を貪った。

気を紛らわせるためだ。

じゃないと---マジでやばい。







(--き---つ・・・・)







これはあんまりだ。
いきなり持ってくつもりかよ。









透「んッ---ん、んッ---!」
「・・・・・・ッ・・・」











(・・・・・やばかった。)











マジでやばかった。
軽く引きずり込まれるところだった。







透「---はぁっ・・・・はッ・・ぅ・・」
「・・・、・・。」







なんとか吐精感を落ち着かせて唇を開放した。

体を起こすと潤んだ瞳と目が合った。

荒く呼吸を繰り返し、何か言いたそうな悩ましげな表情で睨んでくる。





ていうかお前---










「今ので・・・イッたのか?」
透「-----っ!」










ビクッと体が跳ねた。

そして慌てて顔を逸らしやがった。








「なぁ・・・」
透「--ッ・・・」









(・・・。)








まぁ、イッたかどうかなんて聞かなくても分かる。





だが聞きたくなるだろ?
言わせたくなるってもんだろ?





だって挿れただけでイクなんて・・・なぁ?







「どうなんだよ。」
透「---やっ・・・ゃめッ・・!」







自分もやばかったくせにそんなことはすっかり忘れ去った俺。

嫌がる透の顎を取る。

そして強引に上を向かせて---











(え---)











正直・・・いい気になってた。









挿れただけでイきやがってとか
そんなに俺のが良かったのかとか

案外余裕かもなんて調子に乗ってた。










だが、俺は甘かった。










透「---っ・・」










すぐ目の前にある揺れる瞳。

その目にみるみる溜まっていく涙。







そして透は悔しそうに唇を噛み締めて







俺を見つめたまま







ポロッと、涙を流した。













「-------。」














まるで真夏の花火のように











心臓が激しく打ち上がった。











(なんだこれは・・・)











マジでなんなんだこれは








いい加減にしろよ透・・・







お前---

















「・・・可愛すぎる。」





















我ながらなんて恥ずかしいセリフを言ってのけたかと思う。









だが断言できる。









今まで会ったどんなに綺麗で可愛い女よりも
今まで抱いたどんなにエロくていい女よりも



冗談抜きでこいつが一番・・・
















「---可愛い。」

















マジで。











透「な、なに言って-----や、ぁッ!」

「・・・。」











可愛い透に煽られて質量を増していくソレ。










(もう、無理だ。)










優しさという名の理性が

盛大に音を立てて崩れ去っていく。










完全に、スパークだ。