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「なな、なんだ!?」
ビックリして後を振り返る。
そして振り返って更にビックリ。
「えっ!?」
なぜならそこには----
「な、なななな!?」
葵「し、晋さん!?」
香「しし、晋ちゃんだー!」
直「・・・・・・・・。」
どこからともなく現れた晋。
ビックリしすぎて「な」しか言えない。
『ちょっ---すっごいイケメン!』
『う、うわぁ!あんな人見たことない!』
香「や、やだっ!晋ちゃん今日もカッコイイ!!」
葵「し、晋ちゃんてなんすか!?俺も晋ちゃんって呼んでいいっすか!」
直「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
急に現れた色男に色めき立つギャラリー。
便乗して舞い上がる香織と葵。
私と直樹は声も出ず。
「な、なんだよお前!なんでここにいるんだ!?」
晋「お前がここにいるって言った。」
「へ!」
私がここにいると言った?
そんなバカな!
晋「透。」
「な、なんだ。」
晋「・・・・・・。」
「なな、なんだよ!」
(ちょ、ちょっと・・・)
なんでそんな目で見るんだよ。
上から向けられる真っ直ぐな視線。
最後に見たのがあの顔だったからか、ストレートな視線に怯みそうになる。
晋「来い。」
「は?」
晋「話がある。」
「へ・・・」
は、話?
晋「早くしろ。」
「え---」
急な展開に呆然としていると再び腕を引かれた。
ていうか、話?
お前も話があるのか?
---謝るチャンス
ふと頭に浮かんだ。
明日連絡しようと思ってたがまさかのナイスタイミング。
こういうのは早めに済ませるのがベストだよな?
酒も入っていい気分だし、勢いで謝ってさっさとすっきりしてしまった方がいいのでは・・・
「よし分かった!どこで話す---」
葵「あ、あの晋さん!良かったら飲んでいきませんか!今から玲さんも来るらしいっすよ!」
晋「玲?」
「は!」
(しまった---)
すっかり忘れてたが玲さんが来るんだった。
30分くらいで着くって言ってたからな・・・
もうすぐ来るんじゃないか?
「晋、やっぱ今日は中止だ。明日じゃダメか?私も話したいことがあるんだけど---」
晋「急げ。邪魔されたくない。」
「へ。」
掴まれた腕に力が篭った。
そして急かすようにグッと引っ張られる。
いやいやちょっと待て。
「あ、あのさ。もうすぐ玲さんが来るんだよ。さすがにすっぽかすわけには---」
晋「これで足りるか?」
「え?」
葵「え!あの!これは---!」
カウンターに金を置く晋。
ピカピカの諭吉が1人.2人.3人.4・・・
ていうか多過ぎだろそれ。
3人分どころじゃない。
----って違う!
「ちょ---何考えてんだお前!自分のは自分で払う!」
晋「いいから、行くぞ。」
「良くない!ちょ、ちょっと待て---」
晋「早くしろ。」
「え、あ、おいっ!」
香・直「--------。」
正に一瞬。
カウンターに置いていた携帯とタバコをポケットに突っ込まれた。
そしてカバンと上着を奪われ腕を引かれて強制起立。
「おぉおい!コラコラコラコラ!!」
直「--------。」
「ちょ---こここけるこけるっ!!」
香「--ぇ---あ、あの---」
あっという間に出口に引っ張られていく。
あの香織でさえも何も言えない。
問答無用の俺様っぷり。
「かか香織ッ!直樹ぃ!!」
香・直「・・・・・・・・。」
葵「晋ちゃんっ!やっぱ超カッコイイっすー!!」
意味不明な葵の叫びを背中に浴び
そして引きずられるまま退店完了。
もう、お見事!としか言えない。
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