Felt happiness

Felt happiness 01 SAKURA∞SAKU second





真「・・・・・なんだその格好は。」

「聞くな。そして触れるな。」






すみませんね。

年甲斐も無くこんな格好しちゃって。






純「うわっ・・・姫、すっごい可愛い。」

孝「てめ・・・・朝から挑発的だな。」

「純君ありがと。孝は・・・無視。」






いつぶり?

いやいや。

元々こんな格好はしないんで、お初っすよ。






累「有希!?ま、まさか誰かとデート・・・」

要「え。俺と?」

「違う。」






朝からお騒がせしてすみませんが、実のところ私だって嫌なんすよ。

でもね、でも仕方ないんです。

どうしてもって言われて---

断れなかったんです!






遼「おはよーございまーす。」

「「「--------遼!?」」」

真「まさかお前・・・遼のために・・・」

孝「なんだと・・・」

遼「え・・・一体なんのことっすか。」






バカ共。

遼のためにこんな格好するわけねぇだろ。

これはなぁ・・・・






『有希~!!!』

「れ、令ーーーー!!!」

「「「・・・・・・・・・・・・は?」」」






ああ!私のカワイイ愛しの令!






「令ー!綺麗になっちゃってー!もーたまらん!可愛すぎ~!」

令「有希も可愛いよー!ありがとね、その服着てくれて!絶対似合うと思ったんだぁ!」

「「「・・・・・・・・・・・。」」」

孝「誰だ。」

遼「あ、俺の妹。」

純「へぇ------え?」

累「遼、妹いたんだね!」

遼「まぁな!」






紹介しよう。

この可愛い可愛い花のような女子は遼の妹、令。

多分累と同い年だ。

小さい頃から知ってて良く遊んであげていた。






「可愛いだろ~。もー、女子の中で令が一番可愛い!」

令「そんなことないってぇ!」

要「まぁ、確かに可愛いね。」

「惚れんなよ要!!令の相手は私が決めるんだ!!」

要「何言ってんだお前は。」

「エロい目で見んじゃねーぞ!!」

要「・・・バカか。」






親バカ。

いや姉バカと言うのか?

悪い男どもが放っておかないだろう可愛い妹分。

姉の私が必ず守ってみせる!






令「えっと。遼の妹の令です。宜しくお願いしま---」

「えっ!?どうした!?睨まれたか!?どいつだ!!」






自己紹介の途中不意に言葉を止める令。

もしや睨まれたのか!?

要か!真樹か!?

やっぱり孝か!!






令「何これ!逆ハーイケメンハーレム!!」

「・・・・・・・。」






逆ハーってなに。






「令ぃっっ!誰だお前にそんな言葉を教えたのは!遼か!遼だなっ!?てめぇぇぇぇ!」

遼「え、えぇぇぇ!?」






---真樹---






壮絶な朝だ。

騒がしいの一言に尽きる。






令「何これ!この人達なんの集団!?なんてグループ!?」

遼「いやいやグループって・・・敢えて言うならフェロモン5レンジャー?」

令「えっ?レンジャーなんですかぁ!?」

孝「遼・・・・」

遼「ひぃっ!すいませんでしたぁ!」





朝っぱらから煩ぇヤツだな。






令「やだぁ!FORMなんかよりずっとカッコいい!!ファンになっちゃいそう!!」






累と同い年らしいこの女。

どうやら遼の妹らしい。

顔は似てねぇが騒がしさには血のつながりを感じるが・・・

さてさて、このお嬢さんはなぜウチに来たんだ?






有「令!騙されるなよ!ここは別名野獣の館だ!気をつけろ、喰われるぞ!!」






それにしても有希の格好。

そんな格好しやがってお前・・・

俺を挑発してるとしか思えねぇ。






令「もぉ有希ったら!その言葉遣いは禁止ね!せっかく可愛い格好してるんだから!」

「え。それは勘弁してちょうだいよ。地だもん。そう簡単には---」

令「お願い~。」

「・・・・・・わ、分かった。」

令「やったぁ!」






胸元が強調されるジャケット
ゆらゆら揺れるミニスカート

そして髪をアップにしたことで顕わになったうなじ。



まぁ同じような格好の女は普通にいる。

だが有希のこんな姿は見たことが無い上に最近ぽっちゃりに変身したこいつ。

不本意だが女にしか見えない。

しかもハンパなく可愛らしい。




簡単にまとめると




めちゃくちゃそそられる。






累「で、どっか行くのか?」

令「はい!久々に実家に帰ろうと思って!両親に有希も連れて来いって言われて!」

有「そうなんだよ。」

令「・・・・・・・・。」

有「そ、そうなんだぁ。」

令「ねー!」

有「う、うん。」






有希の様子がおかしい。

やけに素直に妹の言うことを聞く。


そもそもこいつは可愛い妹、弟タイプに弱い。

桜館住人の中でも累に対して極端に弱いところを見ると確定だろう。

こんな格好してるのも恐らく遼の妹に着てくれと押し切られたと推測する。






累「ところでさ、FORMのファンなの?」

令「はい!今度のコンサート、ばっちりチケット取りました!」

累「えー!いいなぁ!」





なるほど。

共通するところがある。





令「でもフェロモン5レンジャーの方が全然カッコいい!こっちのファンになろっかなー。」

要「フェロモンって・・・・」

孝「・・・遼、今日はまっすぐ帰って来いよ。」

遼「すっすみませんでしたぁ!」






遼・・・死刑決定。

だいたいその安っぽいネーミングはなんだ。

お前のバンド名と一緒にするな。






有「止めてた方がいいって令!こいつらの正体は怖い怖い獣なんだぞ!・・・・・よ!」






語尾を差し替えやがった。

キャピキャピ妹の言いなりか。





令「でもー!カッコいいじゃん!やばいよぉ!好きになっちゃうかもぉー!」

「そんなこと言ってたら喰われるぞ!あ、間違えた・・・・食べ?えーと・・・・ぉー?あれ、何言おうとしたんだっけ。」






ショートしたらしい。

慣れない言葉を遣うからそんなことになるんだ。






令「すっ好きになってもいいですかぁ!?」






凄いなこの女。

さすが遼の妹。
やはり変態か。






孝「俺以外ならいいぞ。俺は有希のモンだからな。」

累「俺もー。」

純「俺もねー。」

要「俺も同じ。」

「・・・・・・・・。」






こういうノリが簡単に出来る奴っていいよな。

全員拒否したため自然俺に視線が集まる。

そして妹からガン見される。






令「じゃ、じゃあお兄さん・・・・」

「あー・・・俺も奴らと同じ。」






非常にやりにくい。






令「えー!?5レンジャーは皆有希の物なのぉ!?」

有「えー!そうなのぉ!?」

孝「こいつらは知らねぇが俺はそうだろ。」






孝、真面目に答えるんじゃねぇ。

有希、そろそろ戻ってこないとマジで壊れるぞ。






要「ごめんね。俺たちみんな有希が好きなんだよ。令ちゃんはFROMを応援してねー。」






こういうとき要は役に立つ。

しっかりまとめてくれ。






令「そ、そんなぁ!!」

有「皆ひどぉい!」

「「「--------。」」」

遼「す、すみません皆さん。えーと、今日一日有希借りて行くんで。」

孝「・・・・・てめぇ分かってんだろうな。帰りにちゃんと顔見せろよ。」

遼「・・・ゆ、勇気があれば。」






遼、勇気があろうが無かろうが---

死刑だ。






有「じゃぁ!行ってきまぁす!」






壊れきった有希は遼と妹に連れられて去って行った。












累「有希・・・あんな可愛い格好して変な男に絡まれないといいけど・・・」

「「「-------。」」」






結局、俺らの思考の行きつく先はそこだ。

まぁ、遼がいるから大丈夫だとは思うが。







孝「遼の奴、あの格好の有希を一日独り占め・・・」

要「・・・・・・・・・・。」













「・・・・・・・イライラする。」












勝手に嵐を巻き起こし

嵐のように去って行った奴ら。








こんなモヤモヤした空気を置き去りにしやがって・・・








今日はいい気分で過ごせそうに無い。