「・・・へ?」
持ち上げられて
ポスッと下ろされた。
真「要、席一つずれ。」
私が座っていたイスにどっかり座りこむ真樹。
え・・・一体何のつもりだよ。
真「お前、真ん中。」
「へ?い、嫌だ!要ちゃんが真ん中でいい!バリケードだバリケード!」
要「え?」
「・・・か、要ちゃーん。」
さっさと席をずってどうしたの?って顔してる要ちゃん。
空気読めよーさっき言ったばっかじゃんか。
大体そこにいたら守ってもらえねぇだろ。
真「早く座れ。」
「くっ…今日こそゆっくり飲めると思ってたのに。」
真「なんか言ったか?」
「いえいえ何でもありませんよー。」
要「・・・ぷぷー!」
しぶしぶ座ってやると何が可笑しいのか笑い出す要ちゃん。
おいおいそんな調子で大丈夫か。
しっかりしてくれ。
今日は君にかかっているんだぞ。
「なに笑ってんだ。頼むよ君、責任重大だよ。」
会社帰りの上司か私は。
いや上司だろうが何でもいい。
今のうちにプレッシャーをかけておかねば。
ぽんぽんと肩を叩き、重圧を与えてやった。
真「何の話だ。」
「お前のセクハラから守ってもらうんだよ。」
真「セクハラだぁ?スキンシップの間違いだろ。」
「あ、あれがスキンシップだとぉ!?激しすぎるわっ!!」
要「ぷ・・・・ぷはははは!」
おい何がそんなに可笑しいんだ!
変な奴だとは思っていたが笑いのツボがずれてんじゃないのか!?
ていうか大丈夫なのかそんなんで!
「そこ!笑ってないでしっかりしろよ!」
真「大体お前、要に守ってもらおうなんて馬鹿なこと考えてんじゃねぇよ。言っておくがこいつが一番危険なんだからな。あんまり近づくなよ。」
「なーにが一番危険だ!危険なのはお前と孝様だろうがっ!帝王のくせに謙遜してんじゃねぇよ!」
今更何を言っても全然説得力ねぇ。
初めに睨んだとおりお前と孝様が間違いなくエロス2トップだよ。
誰も勝てねぇよ!
真「…今ので一回目な。」
「え!?え、えぇぇとぉ…スミマセンデシタ真樹様。」
真「もう遅い。」
「ちょっとは手加減しろよ!"スタート"って言ってねぇじゃん!」
真「ダメだ。」
要・仁「ぷぷぷー!!!!」
じ、仁まで・・・!
もうダメだ。
もはや私の味方なんていない。
見捨てられた!
要「ま、面白いモン見れたし。今日はちゃんと守ってあげるからね。」
「え?」
笑いすぎて涙目になってる要ちゃんがひぃーひぃー言いながら肩を叩いてくる。
なんだよなんだよ…
やっぱりお前っていい奴!
「さすが要ちゃん!信じてるからな!」
思い切り肩を叩き返す。
マジで…
マジで宜しく!!
要「はいはいよしよし。」
真「チッ。」
帝王による盛大な舌打ちが鳴り響く。
だが今日はそんなの全然怖くねぇからな。
要ちゃん、大いに期待してるぞ!
「よーし、じゃあ改めて!カンパーイ野獣共ー!」
高らかとグラスを上げる。
今日こそゆーっくり飲ませてください。
要「え、俺もその中に入ってんの?」
真「・・・2回目だからな。」
仁「うわわわ有希さん!」
「こっこの酒美味いな!何て酒だ!?」
仁「いつも飲んでるヤツですよぉ!」
「そそそそうだっけ!?」
うっかり!
失敗した!!