仁「かか要ちゃん!?なんすかそれ!」
「またそれかよ。呼び方なんてどうでもいいだろ。」
要「なになに?なんのこと?」
「仁の奴、君たちの事を名前で呼ぶとビックリすんだよ。」
まったく、何回やればいいんだよこのやり取り。
いい加減飽きた。
仁「だって初めてなんすもん!しかも要"ちゃん"だなんて!」
「要ちゃんが呼べって言ったんだからな。私のせいじゃねぇよ。」
要「そうだよー。俺も有希ちゃんって呼んでるもんねー。」
「そ、そうだよねー。」
相変わらずのノリ。
もしかしたらあちらの方でしょうか・・・
って疑いは完全に消えたわけではない。
それに一番性質が悪いって言われていたがどう考えてもいい奴ではないか。
少なくともあいつらよりは。
仁「やっぱり変だ。」
「お前・・・・さっきから激しく失礼だぞ。」
要「ところで、なんで俺で良かったわけ?」
「へ?」
要「さっき言ってただろ?」
「あ、ああー。」
仁がくすくす笑い出す。
くそ、下僕のくせに。
「えーと、恒例かなんか知んねぇけど。最近、真樹と孝君が管理人いびりに夢中なんだよ。」
要「管理人いびり?あいつらが?」
仁「違いますよ要さん。あれはいびってるんじゃなくて・・・」
「なにを言うか!どう考えてもあれは嫌がらせだろ!」
顔がハテナになっている要ちゃん。
君も桜館住人なら分かってるだろう。
あいつらのやり口を!
要「え、有希ちゃん、あいつらに狙われてるわけ?」
「そーなんすよ!嫌がらせの対象になっちゃったんすよ!お願い助けてください!!」
要「嫌がらせって、どんな?」
「え!?そ、それは・・・えぇぇとー」
仁「ぷ・・・ぷぷぷっ!」
「笑うな!!」
仁「す、すみません・・・・ぷぷ・・・」
要ちゃんは更にハテナな顔になってしまった。
ていうか説明しようにも恥ずかしくて内容なんて言えねぇよ。
「あーもういいやこの話は終わり!飲も飲も!」
仁「真樹さんと孝さんがそりゃあもう有希さんのこと気に入ってて。公衆の面前でちゅーとかぎゅーとか平気でやっちゃうんです。」
「言うなって言っただろうが!」
ぺろーんと言っちまいやがった!
なんて恥知らずな奴だ。
あ、恥かくのは私か。
「それに気に入ってるんじゃねぇよ。嫌がらせだ。あいつら俺様だからな。嫌がる顔見て楽しんでるんだ。」
要「へぇ、あいつらがねぇ…」
クスクス笑いながら紫煙を吐く要ちゃん。
あれ、君もタバコ吸ってたのか。
「そうなんだよ。もしかしたら今日も来るかもしんねぇ。てわけで、そん時は守ってくれよ?」
要「へ?」
「いっつも累に来てもらうんだけどさ。頻繁に呼び出したら可哀相だろ?あー、今日は要ちゃんが来てくれて良かったー!」
今日も来やがったらどうしようかと思ったがマジで助かった。
今日こそゆっくり飲めそう。
元々オヤジ気質なんだ。
ゆーっくり楽しんで飲むのが好きなんだよ私は。
要「あいつら、そんなに頻繁に来るの?」
仁「いらっしゃいませー・・・あ。」
「ほぼ毎日。あいつら正にストーカーだよストーカー。将来絶対新聞に載るぞー。容疑者で!ふはははは!!!」
仁「ぁゎゎゎゎゎ有希さーん!!!」
要「あれ、真樹じゃん。」
「は?」
い・・・・・今なんと?
ズーン…
う、後から激しい冷気を感じるんですが…
重い。なんか・・・・重くて黒い。
き、気のせいっすか?
「今日も絶好調だな、有希。」
「------!!」
まままま、真樹ぃぃぃぃ!!!!!
「ぎゃぁぁぁぁぁ!容疑者ー!!」
真「誰が容疑者だ。」
振り向いたら帝王がいた。
更には腕が伸びてきて…
「や、止めろぉーーーーー!----あ?」
なぜか、軽く持ち上げられた。