ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part3

ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part3—–1 SAKURA∞SAKU second

「おはようございまーす。」

 

現在、午後20時。

 

夜なのになぜおはようなのかって?

それはね・・・
今日は出勤日なのである。

 

煌びやかなドレスに身を包み、ひと時だけ女らしくなれる夢のようなひと時・・・

 

(うっふん。今日もなかなかイかしてるぜ、あ・た・し!)

 

更衣室にあるでっかい鏡の前で女ポーズを決め込む。

 

 

「・・・・・・はぁぁぁぁ。」

 

 

違うんすようっふんなんてやってる場合じゃないんすよ!

 

 

前回ガキの件があった後、あっ子に素直に謝った。

そして退職届を受理していただこうと思ったのですが・・・

 

あ「あははは!有希ならやると思ったぁ!」
「あ、あっ子さん・・・」

 

とりあえず、大爆笑されたわけですね。

 

「あ、あの、それでですね、お店もほとんど行ってないんですが・・・そろそろ引退しようかと・・・」
あ「そっかそっか分かった。でもさ、最後に来週一日だけ代わって欲しいんだけど、ダメ?」
「ら、来週っすか。」
あ「うん。」
「・・・じゃ、じゃあそれが最後ってことで。」
あ「ありがと!宜しくね!」

 

てなわけで。

 

やってきました『来週』。

 

なんだかんだで例の事件があってから1カ月は経ってるからな。
これだけ時間が経ってればあのガキもほとぼりがさめてるかも・・・と思いたい。

 

(だ、大丈夫だよな・・・?)

 

ドキドキしながら出勤したわけだが・・・
ま、店の人に何も言われないところをみると、あの後ガキによるクレームがあったわけではなさそうだな。

とりあえず、今日だけ代理を務めれば任務完了ってことだ。
食いしばって頑張ろ。

 

「よし、行くぜ!ネネちゃん!」

 

ぶつぶつ言いながら輝く世界へ出陣する。

 

ス「あ!ネネさん。4番テーブルご指名です。真ん中の方。」
「・・・・・・・・・・・・。」

 

い、いきなり?

ご指名って・・・
ま、まさかぁ。

いやいや落ち着け。

今日は誰だ。
もしやあのガキじゃないだろうな!?

いや待てそれは有り得ないだろ。
だってあんなに固まってたもんな。

それに私が今日来るなんて情報、あいつら以外誰も知らん。

ていうか来られても困る。
どう接したらいいか分からない。

 

(どっちにしても行きたくねぇ・・・)

 

今日は一日ヘルプの鬼になってやる!なんて意気込んでたのに・・・
仕事が始まって早々いきなり挫かれた。

 

4番テーブル。

永遠に着かなけりゃいいのに。

が、数秒とかからないのが現実。

 

「失礼しまぁぁ------すぅ・・・・」

 

今日の担当は・・・

 

「早かったな。」

 

綺麗なお顔に不健康そうな顔色。
それがまた知的な雰囲気を醸し出す・・・

 

最近不機嫌度高めの

 

俺様孝様。

 

孝「何してる。早く来いよ。」
「・・・・・はーい。」

 

相変わらず足が長いっすね。