ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part2

ナ・イ・ト・ワ・-・ク Part2—–5 SAKURA∞SAKU second

ス「ネネさんお願いします。」
有「えっ?」

 

せっかく気分が良かったってのに・・・
絶妙なタイミングでスタッフが有希を呼びに来た。

 

有「要ちゃん・・・・・誰か他に来るって言ってた?」
「いや。もし来るなら連絡があるだろ。」
有「そ、そうだよね。」

 

なんで呼ばれるんだ?って反応だな。

はて・・・
俺に内緒で住人の誰かやって来たか?

 

有「え・・・」
「どうした?」
有「いや・・・くそ、またかよ・・・」

 

他の席を見て顔が強張る有希。
一体どうした?

 

有「はぁ・・・あー・・・・・要ちゃん。例のガキが来たみたい。」
「ん?」

 

例のガキ。
さっき言ってた客のことか?

 

有「今何時だっけ?」
「11時前。」
有「そっか。先に帰っててもいいよ?」
「なんで。」
有「あと1時間くらいだし、明日仕事でしょ?」

 

おバカだなぁこの子は。
お前を狙ってる奴が来てるのに帰るわけ無いでしょう。

 

「お前はそんなこと心配しなくてもいーの。-------ん?」
有「どした?」

 

ふと視線を感じて目を向けると・・・・

おーおー。
好戦的な奴だなぁ。

 

有「どうしたんだよ。」
「------ククッ。おい、有希。」
有「え?・・・・・・・っ!」

 

頬に

 

キスしてやった。

 

有「・・・・・え?」

 

有希はまぁ・・・固まってるな。

 

「あいつが睨んでくるから。マーキング?」
有「はぁ?バカかお前・・・・・ちょっと行ってくるからよ。」
「あぁ、早く帰って来い。」
有「うん。」

 

(まぁまぁ、嫌そうな顔しちゃって・・・)

 

 

『そのガキがな、よっぽど嫌だったらしいぞ』

そういえば真樹がそんなこと言ってた。
なぜか嬉しそうな顔してたのは無視したけど。

 

サ「アオイちゃん、緊張してるんでしょ。高野さんカッコいいから。」
ア「サ、サオリさんっ!」

 

忘れてた。
隣に座るヘルプの女の子があたふたしている。

新人さんか?
反応が初々しい。

同じ女でこんなにも反応が違うんだな。

有希だったら・・・・
まず緊張すらしねぇな。
想像すると笑いが出る。

 

サ「ネネさんの周りにはカッコいい人がたくさんいてビックリです。」
ア「そ、そうですよね。」
「?」
サ「この前いらした杉浦さんだって・・・男性スタッフまで見とれてましたよ。」
「真樹は男の目も引くからなぁ。」

 

『おい、そこの美人さん』

時々有希がからかって真樹をそう呼ぶ。
三倍返しされるのに良く懲りないもんだ。

 

サ「それにしても、ネネさんって不思議な雰囲気の人ですよね。その上可愛いし、スタイルも良くて羨ましいです。」
ア「本と!仕草とか女の子らしくて!」
「・・・・・・・そ、そうかな。」

 

女の子らしいって・・・

有希の?
どこら辺が?
女子の目にはそんな風に映ってるわけ?

どんだけ猫被ってんだよあいつは。
まぁでも、当たり障り無くやってはいるらしい。

 

女の子らしい・・・・ねぇ。

 

まぁ----

あの夜に見せた有希は女らしすぎて

 

かなり参ったけど。