<真樹>
要「うわ、停電かよ・・・」
累「暗いのヤダ。」
純「ほんとー。」
孝「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
一瞬すさまじく光ったと思ったら真っ暗になった。
今から飯だったってのに停電かよ。
ついてない。
純「停電って初めてじゃない?」
累「そういえばそうかも。」
電気、さっさと復活しろ。
累「わ、またすごいの来たね。」
要「雷様ったらご機嫌斜めだなぁ。」
純「お腹空いた。」
全くだ。
腹減った。
要「あれ。真樹と孝、全然喋らないけど・・・もしかして暗闇が怖いのか?」
「「・・・黙れ。」」
要「おー怖い怖い。」
はしゃぐなガキ共。
累「それにしても電気復活しないね。」
純「しばらくこのままだったりして。」
累「えー、嫌だなぁ。」
孝「誰か懐中電灯持って来い。」
「お前が行け。」
孝「嫌だ。どこにあるか知らん。」
累「あ、そういえば俺も。」
純「俺も。」
誰も動こうとしねぇとは・・・
使えない奴らめ。
ていうか俺もどこにあるか知らねぇ。
要「まったく仕方ねぇな。それじゃ俺が行きますか。」
しぶしぶ文句垂れながら要が立つ。
知ってるならさっさと取って来い。
「「「・・・・・・・。」」」
---しーん
成人した男子が4人。
暗闇の中、飯を前に静かに食卓を囲む。
なんだよこの状況。
罰ゲームか?
非常に不愉快だ。
まだか要。
早くこの状況から解放してくれ。
(そういえば・・・)
有希はどこだ?
さっき階段をおりてる途中じゃなかったか?
孝「・・・なぁ、有希は?」
累「え?あれ、そういえば・・・」
純「・・・いないね。」
他の連中も気付いた。
ていうかマジでどこ行った?
孝「おい、有希!」
・・・返事が無い。
純「・・・変だな。」
累「・・・ああ。」
どうしたんだろう、と呟き純がライターに火をつけて席を立った。
確かに変だ。
なんで返事がない?
まさか階段から落ちたか?
いや、そんな音はしなかったが・・・
妙な胸騒ぎがして俺もライターを掴む。
累と孝も灯りを目印に立ち上がった。
---その時
再び部屋が光った。
「-------っ!」
思わず息を呑んだ。
一瞬
ほんの一瞬だったが
階段に座り込むあいつが見えた。