間違いない。

間違いない。—2 SAKURA∞SAKU first

遼「ウ、ウソだろ・・・リアル千秋?」

 

押し売りさんを撃退する気満々だった遼。
不気味男子を前になぜかとっても驚いている。

それにしても千秋君か。

有希と遼の共通の友達---とか?

とりあえず怪しい奴じゃないみたいで良かっ--

 

 

有「えーと、紹介しまーす。こいつは千秋。私の妹だ。」

 

 

(え・・・・・?)

 

ちょっと待って。

なんかおかしかった今の。
なんかおかしいのが聞こえた。

ほら見て。
真樹も孝も変な顔してる。

 

「い、妹・・・?」

 

ちょっと失礼。

あまりに大きな間違いを見つけてしまったので指摘させていただこうと思います。

 

有「そうだぞ、妹だ。姉貴にでも見えたか?」

 

違うそっちじゃない。

 

「い、いや、あの・・・その--」

 

この姉あればこの妹ありってヤツ?
一体どうなってんのこの人の家族は。

 

遼「いやぁ、それにしても久しぶりだな千秋。何年ぶりだ?」
千「4年。」
遼「そっかー、もう4年も経つのかぁ。」

 

淡々としてるんだね。

千秋・・・・・ちゃん。

 

有「とりあえず上がれよ。」
千「・・・お邪魔します。」

 

一瞬戸惑ったように見えたけど素直に靴を脱いで中へ向かう---妹。

有希より大分身長高いし、どっから見ても男子なんだけど・・・
髪はちょっと長いのか後で軽くまとめてるけどね。

 

純「遅かったね・・・・・え?」
要「どしたの遼、でっかい声出して。あれ、誰それ。遼の彼氏?」

 

ほら、要も間違えてる。

 

有「突然ですが、こいつは私の妹でーす。」
「「 ・・・・・・・・・・へ?」」

 

うん、納得いく反応だ。

 

千「···失礼な奴らだな。」
有「仕方ねぇよ。お前もそんな格好だしこいつらも失礼な奴らだからな。」
千「それなら仕方ねぇ。」

 

ものすごく失礼だけど息ぴったりの会話。

間違いなく血筋だ。
この2人、同じ血が流れてる。

 

有「で、どうしたんだ?」

 

ソファーにどっかり座ってコーヒーをすする有希。

 

千「----別に。たまには顔見とこうと思って。」

 

同じくどっかり座って遼からコーヒーを貰う千秋・・・ちゃん。

 

有「そ。ていうか明日は仕事か?」
千「休み。しばらく有給貰ってきた。」
有「いいねぇ。それじゃあ久々に晩酌の相手してくれよ。」
千「・・・あぁ。」

 

(・・・・・・・・・。)

 

なにこれ。
なんなのこの会話。
こんなの女の子同士の会話じゃないよ。

久々に会った女子トークといったら···

 

『きゃー久しぶりぃ!元気にしてたぁ!?』
『元気元気ぃー!もぉーA子ったらきれいになったねー!』
『えー?そんなこと・・・・あるかもー!』
『やだぁ~!』

 

こんなんだろ?

 

有「そうだ、今からメシ食いに行くんだ。お前も来いよ。」
千「あぁ。ちょうど腹減ってきた。

なんなのこの男前トーク。

 

有「じゃぁ行こうぜ。」

 

いつの間にか行き先が決まっていたようで。

コーヒーを飲み干し、有希と千秋・・・ちゃんが立ち上がる。

遼に連れられて玄関に向かう彼---女。
俺らは少々放心気味で後に続いた。

 

要「お前、妹がいたんだな。」
有「え?あぁ、言ったこと無かったか?」
要「ない。」
有「可愛い奴だろ?でも惚れんなよ。」
「「「 ・・・・・・・・・・・・。」」」

 

安心して有希。

惚れるどころか俺ら全員性別の段階で立ち往生しちゃってるよ。