--累--
「え・・・・・と---」
『・・・・・・・。』
「あの・・・誰に用があるか教えてくれないかな。」
『・・・・・・・。』
今日は休日---
清々しい朝だなぁなんて目を覚ました。
目覚めのコーヒーを飲んでたら、匂いに釣られたのかぽつぽつと住人達も起床。
奴らも休みだったのか、珍しく全員揃ってリビングに集まってる。
ちなみに今日は遼もいる。
そして現在午前11:30
そろそろ昼食かぁって話になると、たまには皆で食べに行くかってことになった。
と、そのタイミングで鳴り響いたチャイム。
玄関に一番近かった俺が応対したんだけど···
ドアを開けるとそこには男子。
誰かの知り合いだよな?
家を知ってるってことはそれなりに親しいってことなんだろうけど···
見たこと無いヤツだな。
「えーと、誰に用ですか?」
『・・・・・・・。』
なぜか無言。
「・・・・・・あの?」
『・・・・・・。』
そして無視。
というわけで対応に困ってるところです。
「あ、あのさ、もしかして家を間違えたんじゃない?」
『・・・・・・・・・・。』
もー、一体どうすればいいんだよ。
「何か言ってくれないと困るよ・・・」
何がしたいのこの人。
もしかして嫌がらせ?
朝から清々しいとか思ったから?
それがいけなかったの?
『・・・・・有希。』
「え?」
『有希。』
有希?
「有希の知り合いだったの?えと、ちょっと待ってて。呼んでくるから。」
「・・・・・・・・・・。」
やっと喋ったかと思えば出てきた名前は有希。
会わせて大丈夫なのかなこの男の子···
怪しすぎる。
とっても不気味だ。
要「誰だったんだ?」
「うーん、有希の知り合いだと思うけど・・・」
有「え、私か?」
「うん、すっごい無口の男の子。」
要「男?」
有「誰だろ。ま、見れば分かるか。」
首を傾げながらも有希が立ち上がる。
「・・・俺も行く。なんか心配。」
有「は?」
また対面するのは嫌だけど、2人きりにするのは危ないような気がする。
今のご時世、色々危ない事件もあるし。
有希は女の子だからね。
俺がしっかり守ってあげなきゃ。
真「随分心配すんだな。」
孝「俺も行ってやる。」
最強コンビが腰を上げる。
うん、3人ついてれば大丈夫だよな。
有「何がそんなに心配なんだ?客だろ?」
呆れる有希と一緒に4人で玄関にリターン。
玄関へのドアを開けると、無口な男子は玄関に背も垂れて立っていた。
有「お待たせー。どちら様ですかね---」
『--------。』
有「え・・・・・・えぇぇぇ?」
どうしたの有希。
様子がいつも以上におかしい。
『・・・よぉ、久しぶりだな。』
無口男子が---喋った!
有「ど、どしたのお前。なんでここにいんの。」
『なんでって・・・お前が連絡寄こしたんだろ。ここに引っ越すって。』
有「まぁそうだけどよ。珍しいこともあるもんだな。何か用でも出来たか?」
『・・・・・・・・・・。』
ちょちょちょっと待って。
なに?誰?
孝「おい有希、こいつは誰だ。」
真「全く話が見えねぇ。」
そうだよ。
全然分かんないよ。
有「え?あー悪い。こいつは----」
遼「なにもたもたやってんのお前ら。もしかして押し売り屋さん?仕方ない、そんなヤカラには俺がガツンと---」
シビレを切らしたのかのそのそと遼が出てきた。
そして・・・なぜか言葉を詰まらせる。
遼「ち、千秋!?」
え。
いや・・・・・・・だから誰。