(-------!?)
犯人は純君。
私と女子達の間にいた彼はなぜか妖しい笑みを浮かべ
無言で私の口をガッシリ塞ぐ。
なんか怖い、非常に怖い。
いやいやその前に---
「んむーーーーっ!」
説明させてはもらえないだろうか。
二度と会わないだろうとはいえ、これ以上女子の皆さんに睨まれるのは気が進まない。
それに誤解を解いておかないとお前らだって困るだろ。
しかし・・・
「むむっむむむーーー!」
純君もやっぱり男子だ。
叩いても引っ張ってもビクともしねぇ。
(くっそー!!)
なんでこいつらは揃いも揃って私を押さえつけようとするんだ。
少しは年上を敬いやがれ--!
『そう・・・・・だったんですか。』
『なんだか分かる気がします。不思議な雰囲気の人だし。』
『悔しいけど・・・・・応援します。』
(・・・なんですと?)
応援するって---
コラコラ簡単に諦めるんじゃない!
だってこいつらフリーなんだぞ。
君たちにもチャンスはある。
むしろ大チャンスだろ!
「むむ---むぅぅーーー!!」
体中の筋肉を総動員して暴れてみる。
-----が。
やはり純君の手はビクともしない。
『お2人共頑張ってくださいね!』
『有希さん!私達、有希さんのファンでもあるんで頑張ってください!』
「・・・・・・・・・・。」
い、いや・・・
そいつは激しく意味が分からんのですが。
累「じゃ、俺達帰るね。」
純「君たちも気をつけてね。」
『は、はい!』
オシャレ女子達は顔を紅く染めて元気に返事した。
(君たち、青春を諦めるなぁ!)
しかし心の声は響くことは無く・・・
「ぷ---はぁー!!」
女子達から離れたところでやっと純君の手から解放された。
そして睨んだ。
涼しい顔でこっちを見下ろすイケメン2人をとことん睨み上げた。
「おい!お前らいい加減にしろ!私を利用するなって言ってるだろうが!」
累「利用なんてしてない。」
純「そうだよ。」
はいはい。
今更とぼけても無駄!
「-----ったく。学校に行った時困るのはお前らなんだぞ?知らねェからな!自分で解決しろよ!」
こいつらのモテっぷりを考えるとさっきの発言について絶対追究されるに決まってる。
バカなヤツらめ。
次回学校に行った時にもみくちゃにされるのが目に見えてる。
後先考えずに行動すると後で痛い目に会うのが世の中の常識。
身をもって思い知れ。
「-----はぁ・・」
説教垂れる要素はいくらでもあった。
だが今日は疲れた。
体力的にも精神的にもすっげぇ疲れた。
「ふぁぁっ。もういいや疲れた。帰ろうぜ。」
こいつらがモテようが追いかけられようがどうでもいい。
私には関係ねぇもんな。
累「・・・・・。」
純「・・・・・。」
あちこち痛い体を引きずって車へ乗り込む。
いざ--
「出発進行ーーー。」
累「・・・・・。」
そして、桜館へと車を出した。
・・・・・3on3(完)