変人だって。医者だって。

変人だって。医者だって。08 SAKURA∞SAKU second





(と、止まった・・・・・止まった!)






孝の手も。

そして私の妙なザワザワも。






「孝!目ぇ覚ませ!なんかおかしいことになってる!」

孝「・・・・・・。」






こんなこと・・・・・

酔った勢いでとか、熱で朦朧とした勢いでとか。

そんなことがあったらいかん!



そして私はなんて有り様だ。

流されてんじゃねぇよ。

最低だ!






(-------!)






ゆっくりと体を起こす孝。

よしよしその調子だ。

落ち着いて頭を冷やせ。

そして正気に戻れ----






「-----っ!」






少し上から見下ろしてくる俺様。

虚ろな表情。

頬も上気していて熱が高いのだろうと思われる。

でも-------






(な、なんで・・・・・・そんな・・・・・・)






向けられる視線はひたすらに真っすぐで






逃げたくても、反らすことができない。






孝「おかしくなってんのは・・・・もう・・・ずっと前からだ。」

「------ぇ?」

孝「俺はお前が欲しくて堪んねぇ・・・これ以上---抑えられねぇんだよ。」

「-----っ」






(ちょ、ちょっと----)






やめろ。

そんなこと言うのはやめてくれ。





女子に戻ってみようかな

恋愛かぁ、考え直してみよっかな

なんて思ったのがついこの間。





その原因になったのはお前らなんだぞ。





お前らのことを

もちろんお前のことも

男だって意識したからなんだ。





私も人間で、一応女なんで。

熱に犯されているとはいえ---

意識してるヤローにこんな熱い目で見られたら

こんな状況でそんなこと言われたら---






孝「・・・・・・・。」

「-----!」






視線を離してくれないまま

再びゆっくりと顔が近づいてくる。






----ダメだ、こんなのダメだ!






脳内で理性が大騒ぎしてる。

なのに体が動かない。

動け、動け----

動いてくれよ・・・・・有希ちゃーん!









孝「有希。」









唇が触れそうな距離で

ピタリと動きが止まった。









「-------っ・・・・!」










声が-----出ねぇ・・・!








(頼むよ、孝・・・!)






お願いだから止まってくれ。

心臓も理性も

ぶっ飛びそう---














孝「愛してる。」














心臓が---










弾け飛んだかと思った。











もう












ダメだ・・・・