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「嫌じゃなかったんだな?」
有「へ?」
有希の首元に顔を埋めながら確認する。
あー、いい匂いがする。
情けねぇことにさっきは気付く余裕すらなかった。
「俺に抱かれるのは、嫌じゃないんだな?」
有「え!?そそそれはちょっとぶっ飛びすぎな質問じゃないっすか!?」
「その動揺は肯定していると見なす。」
有「えぇぇぇ!?」
まだ絡まっている指に力を入れる。
そういえばさっきは握り返してきたな。
やばい。
思い出したら幸せな気分になる。
「どうなんだよ。」
有「どど、どうって-----」
「言えよ。有希。」
有「そ、そんなの分かんねぇよ!」
「・・・・・なんだそれは。」
ずいぶんと中途半端な答えだな。
だがこれだけははっきり聞いておきたい。
「じゃぁ、さっきのは嫌だったか?」
有「----!」
「・・・有希。」
有「--------。」
しーん。
これは、黙秘を貫くつもりか?
「言わねぇなら・・・」
有「------っ!」
(これだけは絶対引かねぇ・・・)
逸らされていた顔を強引に軌道修正。
そして視線を捕らえて
ゆっくりと顔を近づけていく。
有「ま、待て!あのっ-----」
「・・・・・・。」
有「だからっ---え、と------」
「・・・・・・・・・・・・。」
有「------っ、っ、いぃっ-----嫌じゃなかった!!」
「・・・・・・。」
有「・・・・・・・・。」
「・・・相変わらず声でけぇな。」
有「-------ぅ・・・うるせぇ!!」
-----救われた。
さっき味わった衝撃が
じわじわと溶けていくような気がする。
(良かった・・・・・・)
顔を真っ赤に染める有希。
居たたまれなくなったのか、音を立てるように目が泳ぎだした。
そしてなぜか眉間に力を入れ
たまに様子を窺うようにチラチラと視線を寄越してくる・・・
(・・・・・・・・・・おいおい。)
おいコラやめろ。
そんな可愛い顔して
お前・・・・・
「・・・・・・じゃあ続き。」
有「は!?なななんでだよっ!!!」
「抱きたい。」
有「ななななにっ!!!?ダメだ!」
「嫌じゃねぇんだろ?」
有「え!そそそれはお前----!」
さっきの続きから続行させろ。
すっげー幸せな気分だったんだ。
有「もも、もう何もしねぇって言ったじゃねーか!」
「あー・・・・・」
言ったな。
そういえば。
「まぁ・・・さっきはな。」
有「な------お、お前・・・・っ!真樹と同じこと言いやがるんだな!くそ-----やはり同類!」
真樹?
「おいおい。こんな時にヤローの名前出すんじゃねぇ」
有「こんな時って・・・・とにかく!離れろ!」
「却下。」
有「ちょっ------孝!!」
全く
こいつには振り回されてばかりだ。
だいたい、俺の言葉が嬉しくて泣くなんて
嬉しいことしてくれるじゃねぇか。
「仕方ねぇなー・・・・・」
今日のところは大人しく引いておいてやるか。
風邪も引いてることだし----
あれ・・・・熱、下がってねぇか?
有「やや、やっと観念したか!」
「観念ってなんだよ。」
言いたいことは多々あるが
とりあえず、体を起こした。
「・・・・・・・・・。」
有「---?おい、さっさと退けよ。」
「・・・・・・・・・。」
有「おい!」
「お前・・・」
有「あ?」
「・・・・・・エロい。」
有「え?-------え、うぅぅわぁぁぁ!?ちょっとぉぉぉ!!」
中途半端に肌蹴てる胸元。
白い肌の至る所に散らばる俺の"シルシ"。
これはもう------
誘ってるとしか思えない。
有「ちょちょちょちょ待てェェェぃ!!!」
高速スピードで服を掴み、肌を隠そうとする。
「ふざけんな。」
なんてことすんだお前は。
とりあえず、邪魔な手はベッドに押し付けておく。
有「こらこらこらこら放せぇぇ!!」
「そんなの見せつけやがって・・・お前、挑発してんのか?」
有「お前がやっちゃったんだろうがぁ!」
あぁそうか。
やったのは俺だ。
「やっぱり続き・・・」
有「え!や、やややめろぉぉぉぉ!!」
無茶言うな。
こんな姿見せられて
我慢しろって方がどうかしてる。
有「待て待て待て待て!3秒待ってくれ!!」
「なんで3秒----」
---PiPiPiPi
有「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
電話。
有希のか。
誰だこんな時に。
有「・・・・・・・出ていいっすか。」
「無視しろ。」
有「あいつらの誰かだと思うんですが!出なかったら絶対すっ飛んで帰って来ちゃいますぜ!!」
「・・・・・・・そうだろうな。」
あいつらならやりかねない。
いや、俺の心配じゃなく有希の身を案じて間違いなく帰って来る。
ま、それなりのことは既にやっちまったけどな。
有「!」
仕方なく・・・
そう、仕方なくだ。
解放してやった。
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