ライブ・本番!

ライブ・本番!14 SAKURA∞SAKU second

----純----



要「別に帰ってからでもいいんだぞ?お前らFORMと遊んで来いよ。今日しかチャンスねぇじゃん。」

「早くして。」

累「要!」






打ち上げが始まってしばらく経った頃、俺と累は要を会場の端に引っ張ってきた。

真樹はMIKAMIMusicってロゴ入りシャツを着てる人と話してる。

孝はどこに行ったか分からない。

できれば他のメンバーも捕まえたかったけど・・・

この際説明役は要一人でも構わない。






累「FORMはいいから!一体何があったんだよ!?」






そうだ、FORMなんかどうだっていい。

なんであの男が殴られたのか。

なんで姫の目が赤かったのか。

ちゃんと説明してもらいたい。






要「あーそう?それじゃ、えと・・・・簡単に言うと、あの男は有希の元彼だったわけ。」


「「・・・・・・・・・・・・・・は?」」


要「そうだよなぁ。俺も同じ反応だったぞ。」

累「え・・・元彼って-----今更、なんで・・・?」






モトカレ。もとかれ。・・・あ、元彼?

え、それってつまり・・・

さっきの男が、姫の元彼ってこと?




え、えと・・・

あまりにも普段男っ気が無さすぎて・・・・

うん、結構ショック。






(あれ、ちょっと待って・・・)






姫、目が赤かったよね。

それって、それって・・・






「もしかしてその元カレ・・・夢に関わってるの?」

累「・・・!」






姫が泣くなんて・・・

夢に関わること以外に考えられない。






要「まぁ・・・そうなんだろうな。」

累「・・・なんだよそれ。」

要「詳しくは分かんねぇ。」

「・・・そう。」






姫の『トラウマ』

その内容は・・・なんとなく予想はしてるけど。

予想は当たらないで欲しいと思ってる。




姫も話そうとしないけど。

俺も聞くのが怖い。






要「でもな、今度話すってよ。」

「えっ・・・」

要「ちゃんと説明するって。少し時間をくれだと。」

累「・・・問い詰めたんじゃないだろうな。」

要「そんなことするかよ。そういうわけだから・・・お前らこそ今日のことを有希に問い詰めるようなことするなよ。」

「・・・分かった。」






あまりの展開に着いて行けない。

なんだか頭を思い切り殴られた感じだ。






累「遼、あいつを殴ったのか?」

要「・・・あぁ。」






そういえばあの男、怪我してたっけ。






要「遼は新名って奴のこと良く知ってたみたいだし、事情も色々知ってんだろ。」

累「そうだな・・・」

要「とにかく、俺らが腑抜けた顔してたらダメだ。一番きついのは有希なんだからな。」

「「---------。」」





そうだよな。

一番辛いのは姫。





もう-----姫が辛い目に会ってた時に俺は何やってたんだよ。

ほんと俺ってバカ!






要「ほら、分かったらFORMのとこ行って遊んでもらって来い。」

「は・・・?」

累「なんだよその言い方。」






(遊んでもらえ、だって・・・?)






なにそれ。

累はともかく・・・

なんで俺までガキ扱いされなきゃいけないわけ?






「要・・・・・」

要「え---じゅ、純君?にに、睨まないで!なんか怖い!!」

累「最近純は自分を抑えられないんだ。怖いだろ?俺も怖い。」

「累。」

累「・・・・・・・・。」






二人ともいい加減にして。

色んなことがいっぺんに起こって頭の中ぐちゃぐちゃなんだ。

これ以上イラつかせるんじゃない。






真「こんなとこで何やってんだ。」

要「ま、真樹!純が不良に!」

真「はぁ?」

「-----。」






要のヤツ絶対許さない。

帰ってたら覚えてろ。

そして明日の朝食係は俺だということを忘れるな。

目に物言わせてやる。






真「有希は?」

要「あれ、そういえば見ないな。まぁ、今日の主役の一人だからな。色んなとこで引き止められてんだろ。」

真「・・・そうだな。」










今日のライブは本当にすごくて

心の底から楽しかった。










それなのに










なんでこんなに胸が痛いんだろう。










(疲れた・・・)








早く、家に帰りたい。