それにしても…
こいつは一体なんなんだ?
あいつらにしても「気まぐれでちょっかい出してるだけなんじゃね?」程度に思ってたけど…
どうやらそうじゃない。
恋心を抱いているとは思えないが、こいつの何かに惹かれてるのは確かだと思う。
それは俺も同じ。
俺の場合、こいつの見え隠れする女の部分に堪らなく煽られる。
ま、そういう部分って一度手に入れてしまえばあっという間に冷めちまうんだけどな。
けど・・・
誰かに横取りされたら、って考えるといい気分はしないな。
出来ればいちいち可愛い反応を示す男慣れしていないこいつを、俺の色に染めてみたい。
そんなこんな考え事してても体は自然に動くもんで
いつの間にか細い両手をシーツに押しつけ
欲望のままに有希の胸元に唇を寄せる…
有「-----酔ってる女に・・・手ぇ出すなんて・・・ッ-----最低な・・・ヤツっ」
「・・・・・。」
(-----ですよねぇ。)
俺だって無理矢理やっちゃおうなんて気は更々無いよ。
ただ・・・ただ勝手に動いちゃってたんだよ。
ごめん。
「…思ってはいたけど。本当に男に慣れてないんだな。」
軽く体を起こし有希を見下ろす。
有「あ?」
(うっわ・・・エロい。)
乱されたシャツに俺に拘束されてる手
虚ろな目と紅く染まった頬
そしてこの反抗的な態度
たまんねぇ…
「…お前のこと、本気で落としたいかも。」
有「何、言って…落ちねぇよ。」
「-----落とすよ?」
有「落ちねぇって…」
「マジで面白ェ女。俺、諦め悪いから覚悟してた方がいいよ?」
有「------。」
---馬鹿じゃねぇかこいつ
見事に顔に書いてある。
有「私なんて止めとけよ。つまんねェから・・・」
「自覚してない女は性質が悪い。」
有「・・・・・・・?」
「これ・・・・・」
さっきつけたキスマーク。
その部分に指を滑らせる。
「消えたらまたつけるから。」
有「?」
「俺のモノって"シルシ"。」
有「何言ってんだ・・・意味・・・・分かん、ね・・」
(あらら…)
とうとう限界みたいだな。
瞼が弱々しく閉じていく。
(明日から愉しみだなぁ…)
あっけなく本性カミングアウトしてしまったが
こいつはたっぷり楽しませてくれそうだ。
「ゆっくりお休み。お前は---俺の獲物だ。」
閉じきれない目をみつめながら軽く唇を合わせる。
再び顔を上げた時、既に有希は眠りに入っていた。