ライブ・本番!

ライブ・本番!12 SAKURA∞SAKU second


有「お前らにさ、約束して欲しいことがあるんだ。」






未だ小さく震える手。

それをごまかすように目に力を込め、静かに話し出した。






有「今日のことも含めて・・・説明すると約束する。だから、遼もお前らも-----"美咲"のことを詮索しないでくれ。」






"美咲"

新名が言ってた女の名前。

有希にとって嬉しい人物ではないってのは分かる。






有「特に遼、ちゃんと約束してくれよ。」

遼「・・・・・・・・。」

有「遼。」

遼「・・・・・分かった。」






しぶしぶ返事する遼。

約束守る気ねぇなこいつ。






有「お前らも約束してくれ。」

要「・・・・・・分かった。」

孝「・・・・・あぁ。」

「・・・・・・・・。」






再び手に力を込め、俺を見上げてくる有希。

とりあえず視線に応えて頷いてみる。

だが・・・






(詮索するなって言われても・・・なぁ?)






まぁ、有希を泣かせるようなことをするつもりは無い。






有「ありがとな。」

「!」






視線を合わせたまま小さく笑う有希。

その表情はあまりにも儚くて

今にも消えてしまいそうで・・・






(参ったな・・・)






家に帰ってからと思ってたが・・・

我慢出来ねぇ。






有「ちょ-----こ、こら真樹!」






震える手を引き寄せて、強く抱きしめた。






要「あー!真樹ずりぃー!」

「お前はさっきやっただろ。」

要「あんなんじゃ足りない。」

「我慢しろ。」

遼「真樹ずるいムカつくうらやましい。」

孝「早く交代しろ。」

有「な、なにバカなこと言ってんだ!ていうか離れろ真樹!」

「嫌だ。」






体は-----まだ震えてる。






「怖がる必要ねぇよ。俺らが傍にいるだろ?」

有「・・・うん。」






こいつは俺らといて安心するなんてほざいているが・・・

それはこっちのセリフだったりする。

お前を包むことで俺の方が安心してる。






遼「早く変われよ真樹。後がつかえてますよ。」

「うるせぇな。てめぇは孝にでも手ぇ握っててもらえ。」

遼「え、なんで孝?」

「さっきまで仲良く手繋いでたじゃねぇか。」

遼「え・・・えぇ!?ちょ、お前、さっきのはそんなんじゃ----!」

孝「---------。」

要「あーあ、今のは真樹が悪い。」

「・・・・・痛ぇ。」






蹴られた。