軽ノリすんな・要

軽ノリすんな・要—6

有「それじゃ皆さん。付き合ってくれてサンキューな。お前らもあんまり飲みすぎるなよ?」

 

ヘラっと笑いながらヤロー共に手を振る有希ちゃん。
一番大量に飲んでる奴が何言ってんだか。

てか待って。
1人で歩いたら絶対こける。

さっき自分で歩けないって言ってただろ。
こらこらちょっと待って待って--

 

有「それじゃお休み----っと!」
累「有希!」

 

こけると思ったよ。
だってふらふらじゃん。

とっさに支えたんじゃない。
支える準備万端だった。

 

準備出来てなかったのは…

 

 

(こいつ・・・やっぱ女だ・・・)

 

 

そう感じてしまったことに対する--

 

 

心の準備。

 

 

(軽い・・・・)

 

ふてぶてしい態度とは対照的だ。

女特有の華奢な体つき。
そして微かに匂う甘い香り。

 

(ふーん…)

 

そういうつもりは無いんだろうけど…
こういうギャップの魅せ方もあるもんなんだな。

 

「・・・ったく、危なっかしい女だな。」
有「へ?」

 

何が起こったか分かってないようだ。
軽く放心気味で離れようとしないもんで…

 

有「う----わ…!」

 

とりあえず抱き上げた。
うん、やっぱり軽い。

 

有「え・・・あぁぁ、あの!ごめん!歩けるから・・・!」
「酔っ払いは大人しくしてなー。じゃ、お姫様を寝かせてきまーす。」

 

今更状況に気付いたのか、慌てて見上げてくる。

ていうかなにその可愛い反応。
俺と同い年なんだろ?
その割には可愛らしすぎるんじゃね?

ダメダメそんな反応されたら我慢できなくなっちまうじゃないの。
せっかく"いい奴"ポジションから攻めようと思ってるのに計画崩れちゃうじゃん。

 

真「おい、変なマネすんなよ。」
孝「さっさと戻って来い。」
「努力します。」
有「要ちゃんに限ってんなことするかよ。」
真・孝「------。」
有「じゃ、お休みー。」

 

随分信用されてるみたいだな俺。

ふむふむなかなかいいポジションじゃないの。

悪いな皆の衆。
こいつは俺がいただきます。

 

 

有希から寄せられる信頼なんてなんのその。

 

 

平気で信用を裏切る思考を馳せながら

 

 

ゆっくりと2階へ向かった。