会いたがってる奴

会いたがってる奴 04 SAKURA∞SAKU second





純「大丈夫。皆行けるよね?」





純君の呼びかけに全員頷く。





遼「そっか。それじゃ終わったら裏に来いよな。」

累「えっ・・・じゃあ他のFORMメンバーにも会えるのか!?」

純「・・・・・・」

晴「もちろん。紹介するよ。」

「「やったぁ!」」





(た、助かった・・・)





良かった、皆さん違う話題に流れてくれました。

顔からしぶしぶと熱が抜けていく。

ここ最近で一番の羞恥タイムでした。

そして・・・





「あの、孝様?」

孝「なんだ。」

「なんだ、じゃなくて。そろそろ解放してくださいよ。」

孝「ダメ。もう少し。」

「・・・・・。」





この-----寂しがり屋め。





孝「・・・いてぇ。」

「そりゃ痛いだろ、抓ったんだからな。」

孝「-----チッ、いい加減慣れろ。」

「慣れねぇよ!」





孝の手を抓って自力での脱出に成功。

近距離スキンシップにはいまだに慣れない。
ていうか慣れたら変だろ。

ひとまず心臓を休めさせてくれ。
バクバク指数が半端ねェ。





「あーあっと。」





空いてるソファーにどっかり座る。


周りを見回すと、累と純君、晴樹はFORM談義。

要と真樹は紫煙を吐きに行ったようだ。

いいな、私も行こっかな---





遼「有希、衣装買った?」





おっと、紫煙はお預けだな。





「いつもみたいのでいいんだろ?一応買った。後で見せる。」

遼「えー・・・・・分かった。」

「・・・なんだよその反応。」

孝「衣装?自分で選ぶのか?」





そう、衣装は自分で選ぶのだ。

なぜなら・・・・・





「衣装の担当さんに頼むとだな・・・何故かミニスカートを履かされそうになるんだ。」





というわけで、自分で選ばせてもらっている。





孝「・・・有り難く頼めばいいじゃねぇか」

遼「お前もそう思うだろ?」

「ばぁか、人前でパンチラなんぞ出来るか。」





バカ共め。
パンツが見たいなら自分で買いに行け。





遼「でも有希・・・お前があんまりにもカッコ良過ぎて一部のファンにはお前=男だと思われてんだぞ。」

「え------なにそれ。どこの情報だよ。」

遼「俺らの公式サイトの掲示板。」

「なに!?」





嬉しくない情報にいてもたってもいられない。

自室に駆け上がりPCの電源をオン。

最近PCを買い替えたもんでね。
おぉ、立ち上がりが早い---!

ささっとRYO公式HPを開く。





「なっ----なな・・なんじゃこりゃぁぁ!!」





[正体不明の謎の男・・・そんな彼にすっげぇ憧れてます。またライブに出てください。]

[どうやったらYUKIのような男になれますか!?教えてください。]

[YUKIさんめちゃくちゃカッコいい!抱かれたい男NO1ですぅー!!]





なにこれ・・・

YUKI=男と信じてやまない書き込みがずらりと並んでるんですけど。





「う、うそだろ・・・別に男の振りして出てたわけじゃねぇのに・・・」

孝「-------クッ」

「笑うな!」

遼「な?ほんとだっただろ?」

「・・・この際男になっちまうかなぁ。」





後から掲示板を覗き込む遼と孝。
孝に至っては耐えかねて嘲笑う始末。

どうでも良いのだが目の当たりにすると結構ショックである。

ていうか抱かれたい男とはなんだ。
どう答えたらいいのかさっぱり分からない。





「今まで意識したことなかったけど・・・今度のライブでどう行動すればいいか分かんなくなっちまうなーくそ。」

遼「ははっ!いつも通りでいいって。で、気が向いたら可愛いカッコで踊ってくれよ。」

「それはヤダ。パンツ見える。」

孝「・・・・・・・・。」





よっぽど気に入ったのか、孝は掲示板を見てくすくす笑ってる。

ていうか人をネタに笑うのは止めろ。





晴「おーい遼、そろそろ行こう!」

遼「え、うわ、もうこんな時間?分かったー!すぐ行くー!」

「今日は自宅に帰るのか?」

遼「あぁ、また明日連絡する。」

「うーっす。ていうか孝!いつまで見てんだ!」

孝「はぁ・・・世間の目は正直だな。」

「んだとぉ!?」





現時刻は午前0時前。

住人達、主に純君と累たんに手厚く見送られて遼と晴樹は去っていった。





(はぁ・・・疲れた。)





今日もいろいろあった。

とりあえず、サンキュー兄ちゃん。

そして覚えてろ晴樹。

おいこら孝、私を見て笑うんじゃない。





「ふあ・・・それじゃ、お休みー。」

累「お休み有希。」

純「姫、いい夢見てね。」

「君らもな。」

純・累「もちろん!」





ライブまであと4日。

少しずつ気持ちも高ぶってくる。








そういえば・・・









会いたがってる奴って誰なんだろうな。















----------会いたがってる奴(完)