純「大丈夫。皆行けるよね?」
純君の呼びかけに全員頷く。
遼「そっか。それじゃ終わったら裏に来いよな。」
累「えっ・・・じゃあ他のFORMメンバーにも会えるのか!?」
純「・・・・・・」
晴「もちろん。紹介するよ。」
「「やったぁ!」」
(た、助かった・・・)
良かった、皆さん違う話題に流れてくれました。
顔からしぶしぶと熱が抜けていく。
ここ最近で一番の羞恥タイムでした。
そして・・・
「あの、孝様?」
孝「なんだ。」
「なんだ、じゃなくて。そろそろ解放してくださいよ。」
孝「ダメ。もう少し。」
「・・・・・。」
この-----寂しがり屋め。
孝「・・・いてぇ。」
「そりゃ痛いだろ、抓ったんだからな。」
孝「-----チッ、いい加減慣れろ。」
「慣れねぇよ!」
孝の手を抓って自力での脱出に成功。
近距離スキンシップにはいまだに慣れない。
ていうか慣れたら変だろ。
ひとまず心臓を休めさせてくれ。
バクバク指数が半端ねェ。
「あーあっと。」
空いてるソファーにどっかり座る。
周りを見回すと、累と純君、晴樹はFORM談義。
要と真樹は紫煙を吐きに行ったようだ。
いいな、私も行こっかな---
遼「有希、衣装買った?」
おっと、紫煙はお預けだな。
「いつもみたいのでいいんだろ?一応買った。後で見せる。」
遼「えー・・・・・分かった。」
「・・・なんだよその反応。」
孝「衣装?自分で選ぶのか?」
そう、衣装は自分で選ぶのだ。
なぜなら・・・・・
「衣装の担当さんに頼むとだな・・・何故かミニスカートを履かされそうになるんだ。」
というわけで、自分で選ばせてもらっている。
孝「・・・有り難く頼めばいいじゃねぇか」
遼「お前もそう思うだろ?」
「ばぁか、人前でパンチラなんぞ出来るか。」
バカ共め。
パンツが見たいなら自分で買いに行け。
遼「でも有希・・・お前があんまりにもカッコ良過ぎて一部のファンにはお前=男だと思われてんだぞ。」
「え------なにそれ。どこの情報だよ。」
遼「俺らの公式サイトの掲示板。」
「なに!?」
嬉しくない情報にいてもたってもいられない。
自室に駆け上がりPCの電源をオン。
最近PCを買い替えたもんでね。
おぉ、立ち上がりが早い---!
ささっとRYO公式HPを開く。
「なっ----なな・・なんじゃこりゃぁぁ!!」
[正体不明の謎の男・・・そんな彼にすっげぇ憧れてます。またライブに出てください。]
[どうやったらYUKIのような男になれますか!?教えてください。]
[YUKIさんめちゃくちゃカッコいい!抱かれたい男NO1ですぅー!!]
なにこれ・・・
YUKI=男と信じてやまない書き込みがずらりと並んでるんですけど。
「う、うそだろ・・・別に男の振りして出てたわけじゃねぇのに・・・」
孝「-------クッ」
「笑うな!」
遼「な?ほんとだっただろ?」
「・・・この際男になっちまうかなぁ。」
後から掲示板を覗き込む遼と孝。
孝に至っては耐えかねて嘲笑う始末。
どうでも良いのだが目の当たりにすると結構ショックである。
ていうか抱かれたい男とはなんだ。
どう答えたらいいのかさっぱり分からない。
「今まで意識したことなかったけど・・・今度のライブでどう行動すればいいか分かんなくなっちまうなーくそ。」
遼「ははっ!いつも通りでいいって。で、気が向いたら可愛いカッコで踊ってくれよ。」
「それはヤダ。パンツ見える。」
孝「・・・・・・・・。」
よっぽど気に入ったのか、孝は掲示板を見てくすくす笑ってる。
ていうか人をネタに笑うのは止めろ。
晴「おーい遼、そろそろ行こう!」
遼「え、うわ、もうこんな時間?分かったー!すぐ行くー!」
「今日は自宅に帰るのか?」
遼「あぁ、また明日連絡する。」
「うーっす。ていうか孝!いつまで見てんだ!」
孝「はぁ・・・世間の目は正直だな。」
「んだとぉ!?」
現時刻は午前0時前。
住人達、主に純君と累たんに手厚く見送られて遼と晴樹は去っていった。
(はぁ・・・疲れた。)
今日もいろいろあった。
とりあえず、サンキュー兄ちゃん。
そして覚えてろ晴樹。
おいこら孝、私を見て笑うんじゃない。
「ふあ・・・それじゃ、お休みー。」
累「お休み有希。」
純「姫、いい夢見てね。」
「君らもな。」
純・累「もちろん!」
ライブまであと4日。
少しずつ気持ちも高ぶってくる。
そういえば・・・
会いたがってる奴って誰なんだろうな。
----------会いたがってる奴(完)