会いたがってる奴

会いたがってる奴 02 SAKURA∞SAKU second




累『有希っ!どこにいるんだよ!?』
「え・・・な、なんだ?なんかあったのか!?」





1コールで出たと思えばなんだこれ・・・
累のあまりの勢いに何事かと構えてしまう。





累『有希に客が来てんだよ!そりゃもうすごいのが!!』

「え-----」





きゃ・・・・・・客ぅ??





「なんだそりゃ。そんなことか。」

累『そんなことじゃない!いいからすぐ帰って来いよ!』

「バカ言ってんじゃねぇ!こちとら兄ちゃんを臨戦態勢の状態で待たせてんだぞ!それを放って帰るなんて出来るか!」

累『兄ちゃん?臨戦態勢?なにそれ。事件に巻き込まれてるわけ?』

「そうだ!大事件だ!解決次第帰るから客なんか待たせとけ!!」

累『えっ!?ちょ、有希---』





切った。
プチっと切ってやった。

今は客なんかより兄ちゃんが大切だ。
何人たりとも我々の邪魔はさせねぇ。





(ただ今兄ちゃん。さぁ、まだまだ敵さんをやっちまって下さいよー。)








結局それから12勝をあげて大勝利。






頂いた札束と店に『あざーっす!!!』と心の中で深々と頭を下げ家に帰った。








「ただいまぁ。」

累「有希!!!大丈夫だったのか!?」

「あぁ?なにが。」





玄関に入るとこれまた累が勢い良くすっ飛んできた。

どうしたんだお前。
なんでそんな心配そうな顔してんの。





累「事件に巻き込まれたんだろ!?」

「事件?・・・・あぁそのことか。喜べ、大勝利に終わった。」





へへん、とピースサインを突き出す。





累「だ、大勝利?なんだよそれ。」

「兄ちゃんが強かったんだよ。いやぁ惚れたねぇ。二度とあんな強い奴には会えないかも。」





あー、肩が凝った。
ぐるぐると腕を回しながらリビングへ向かう。





累「・・・さっきも気になったんだけど兄ちゃんってなに?まさか-----男と会ってたのか?」

「男?なに言ってんだ。私は----」

要「だから心配いらないって言っただろ?」

真「累は素直すぎんだよ。」

累「え・・・」





リビングに入るとそこには住人が勢ぞろい。

なんだ?
一体なんの騒ぎだ。





孝「累、お前って時々すっげぇ面白ぇよな」

純「ほんとー。超面白かった。ミラクルだね。」

累「え、なに・・・なんのこと・・・」

真「で?勝ったのか?」

「大勝利っすよ!今度皆でメシ食いに行こうぜ!!」

累「・・・ちょっと待って。それってまさか---」





ハッと息を呑んで累が立ちすくむ。

あれ、累たんったらもしかして・・・





遼「ぷぷぷーっ!もう最高!あのなぁ累、有希は今までパチンコに行ってたんだよ。」

「あれ、遼、来てたのか。」

遼「うーっす。」

累「パ、パチンコ・・・?だ、だって兄ちゃんとか臨戦態勢とか---」





る・・・るる累たーん!

もしやマジの事件に巻き込まれたと思ってたのか!?

ちょ----あんた可愛すぎる!
前から思ってたけどマジで可愛い!!





「兄ちゃんが戦って敵を倒すって内容の台だったんだよ。累に電話した時かかってたからさぁ。兄ちゃんが敵と対峙してる状態だったってわけ。」

累「・・・・・・・。」

「もー、心配かけてごめんな?」

累「・・・・・・・。」





正にハトが豆鉄砲くらったみたいな顔の累。
口もポカンと開いちゃってるし超可愛いんですけど。

あぁ・・・もう我慢できん!





「だー!累ったらマジ可愛い!もー大好きだぁー!!」





我慢の限界。
思い切り累に抱きついた。

なんて可愛いんだ累たん。
色々と勘違いしてたんだなぁー!





累「・・・信じらんねー。」

「ごめんごめん!」

孝「有希、離れろ。」

真「そうだ、むやみに抱きつくな。」

純「姫、そんなことしたら危ないよ?」





お前らは黙ってろ。
この可愛い累たんは私のモンだ。






「安心しろ累!お前に一番美味いもん食わせてやるからな!楽しみにして-------っ!?」






え。





純「こら!累!」

孝「・・・・離れろ、累。」

真「・・・・・・。」

要「あーもう・・・」





どうやら可愛い獣を怒らせてしまったみたいだ。





累「今のは有希が悪い。」

「・・・すんませんでした。」






軽くキスをされて抱きしめられた。

やめてくれ累たん。
すっげぇ恥ずかしいです。





「面白いね、有希の仲間達って。」

「へ?」






ふと、慣れない声が飛んできた。





(あれ・・・)





どっかで聞いたことあるようなないような・・・