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累『有希っ!どこにいるんだよ!?』
「え・・・な、なんだ?なんかあったのか!?」
1コールで出たと思えばなんだこれ・・・
累のあまりの勢いに何事かと構えてしまう。
累『有希に客が来てんだよ!そりゃもうすごいのが!!』
「え-----」
きゃ・・・・・・客ぅ??
「なんだそりゃ。そんなことか。」
累『そんなことじゃない!いいからすぐ帰って来いよ!』
「バカ言ってんじゃねぇ!こちとら兄ちゃんを臨戦態勢の状態で待たせてんだぞ!それを放って帰るなんて出来るか!」
累『兄ちゃん?臨戦態勢?なにそれ。事件に巻き込まれてるわけ?』
「そうだ!大事件だ!解決次第帰るから客なんか待たせとけ!!」
累『えっ!?ちょ、有希---』
切った。
プチっと切ってやった。
今は客なんかより兄ちゃんが大切だ。
何人たりとも我々の邪魔はさせねぇ。
(ただ今兄ちゃん。さぁ、まだまだ敵さんをやっちまって下さいよー。)
結局それから12勝をあげて大勝利。
頂いた札束と店に『あざーっす!!!』と心の中で深々と頭を下げ家に帰った。
「ただいまぁ。」
累「有希!!!大丈夫だったのか!?」
「あぁ?なにが。」
玄関に入るとこれまた累が勢い良くすっ飛んできた。
どうしたんだお前。
なんでそんな心配そうな顔してんの。
累「事件に巻き込まれたんだろ!?」
「事件?・・・・あぁそのことか。喜べ、大勝利に終わった。」
へへん、とピースサインを突き出す。
累「だ、大勝利?なんだよそれ。」
「兄ちゃんが強かったんだよ。いやぁ惚れたねぇ。二度とあんな強い奴には会えないかも。」
あー、肩が凝った。
ぐるぐると腕を回しながらリビングへ向かう。
累「・・・さっきも気になったんだけど兄ちゃんってなに?まさか-----男と会ってたのか?」
「男?なに言ってんだ。私は----」
要「だから心配いらないって言っただろ?」
真「累は素直すぎんだよ。」
累「え・・・」
リビングに入るとそこには住人が勢ぞろい。
なんだ?
一体なんの騒ぎだ。
孝「累、お前って時々すっげぇ面白ぇよな」
純「ほんとー。超面白かった。ミラクルだね。」
累「え、なに・・・なんのこと・・・」
真「で?勝ったのか?」
「大勝利っすよ!今度皆でメシ食いに行こうぜ!!」
累「・・・ちょっと待って。それってまさか---」
ハッと息を呑んで累が立ちすくむ。
あれ、累たんったらもしかして・・・
遼「ぷぷぷーっ!もう最高!あのなぁ累、有希は今までパチンコに行ってたんだよ。」
「あれ、遼、来てたのか。」
遼「うーっす。」
累「パ、パチンコ・・・?だ、だって兄ちゃんとか臨戦態勢とか---」
る・・・るる累たーん!
もしやマジの事件に巻き込まれたと思ってたのか!?
ちょ----あんた可愛すぎる!
前から思ってたけどマジで可愛い!!
「兄ちゃんが戦って敵を倒すって内容の台だったんだよ。累に電話した時かかってたからさぁ。兄ちゃんが敵と対峙してる状態だったってわけ。」
累「・・・・・・・。」
「もー、心配かけてごめんな?」
累「・・・・・・・。」
正にハトが豆鉄砲くらったみたいな顔の累。
口もポカンと開いちゃってるし超可愛いんですけど。
あぁ・・・もう我慢できん!
「だー!累ったらマジ可愛い!もー大好きだぁー!!」
我慢の限界。
思い切り累に抱きついた。
なんて可愛いんだ累たん。
色々と勘違いしてたんだなぁー!
累「・・・信じらんねー。」
「ごめんごめん!」
孝「有希、離れろ。」
真「そうだ、むやみに抱きつくな。」
純「姫、そんなことしたら危ないよ?」
お前らは黙ってろ。
この可愛い累たんは私のモンだ。
「安心しろ累!お前に一番美味いもん食わせてやるからな!楽しみにして-------っ!?」
え。
純「こら!累!」
孝「・・・・離れろ、累。」
真「・・・・・・。」
要「あーもう・・・」
どうやら可愛い獣を怒らせてしまったみたいだ。
累「今のは有希が悪い。」
「・・・すんませんでした。」
軽くキスをされて抱きしめられた。
やめてくれ累たん。
すっげぇ恥ずかしいです。
「面白いね、有希の仲間達って。」
「へ?」
ふと、慣れない声が飛んできた。
(あれ・・・)
どっかで聞いたことあるようなないような・・・
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