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(やった---!)
今日は外で飲むらしい有希。
そして俺も一緒に行くことになった。
これってやっぱりアレだよな?
デートだデート。
---一目惚れ
多分、それなんだと思う。
初めて見た時、カワイイ女だなって思った。
同い年くらいかなと思ったら大分年上らしい。
全然見えないんだけど。
特別美人ってワケでもない。
でも俺はカワイイと思うし
普通に『いいな』って思った。
思ったら即行動
ってわけじゃないけど
大学でキスした。
そして、殴られた。
---桜館管理人
今まで何人見てきたんだろう。
老若男女、ここ1~2年は特に恐ろしいくらい移り変わりが激しかった。
原因は色々あるんだけど・・・
まぁ、原因の90%は俺達住人のせいなんだけどね。
それほそれは個性的な奴らが集まってるから。
新しい管理人が気に入らなかったら○×※△。
気に入っても□×※÷△。
恐ろしくて口に出せない。
綺麗に言えば個性的。
悪く言えば---変わり者ってやつだな。
そして新管理人の有希。
有希も普通じゃない・・・と思う。
今までの女性管理人を思い返すと明白だ。
真樹のキスを拒否するし孝を足蹴にするし。
真樹と孝。
あいつらは男から見ても惚れ惚れするくらいいい男だと思う。
初対面でドキドキしない女子はいないんじゃないかな・・・
それなのに・・・
やっぱり有希は変人だ。
あいつらに向かってあんな風に接する女
今まで見たことないしいなかったと思う。
真樹のことをエロス呼ばわり。
孝なんて思いっきり殴られてたし・・・
俺は怖くてそんなことできない。
正直、そっちの方でも興味が沸いた。
それに時々、にこっと笑う。
その顔はとんでもなく可愛い。
女に免疫がありすぎる孝も
あの笑顔に驚いて固まってたくらいだから。
(--------。)
孝の奴、有希に惚れたんじゃないよな・・・
まさかね。
とにかく!
今日はデート。
まぁ、行くとこが行くとこだからな。
他の奴にも会うかもしれないけど
あいつらは多分誰かと一緒だから・・・
邪魔されることは無いと思う。
色んなこと話して少しでも有希に近づければいいな。
あぁ、夜が待ち遠しい。
でもドキドキする・・・
レポートでもやって時間を潰そう。
夜、7時前。
極度の緊張状態を耐え抜き、この時間を迎えたわけですが・・・
「これにしてこれ。」
有「うぉ!?」
現在、可愛い格好をしてもらおうと有希の部屋にお邪魔してる真最中。
有希の部屋。
引越し手伝いでしょっちゅう出入りしてるけど
今はなんだか気分が違う。
いつもよりプライベート感が強くて・・・
緊張してしまう。
まぁ、緊張するような女の子らしい部屋ではないんだけど。
有「こ・・・・こら!勝手に覗くな!」
「これ、可愛い。」
有「え!・・・こ、これはちょっと。」
なんでこんなの持ってるの
ってくらい有希の部屋に似つかわしくない花柄のチュニックを発見。
未だにタグがついてる。
おそらく一回も着てないんだろう。
個人的に好みってのもあったんだけど
これ着た有希を見てみたいと思った。
目に付いたショーとパンツと合いそうだったから『これね』って渡すと恨めしそうな顔。
せっかく持ってるのに着ないのはもったいないよ。
すっごく嫌がってたけど
それ着た有希を見てみたいって素直に言ったら聞いてくれた。
人間素直に言うのが一番なんだな。
今度からお願い事はストレートに言うことにしよう。
有「・・・出ててくれよな。」
というわけで
ただ今ドアを挟んで有希が着替えるのを待ってるわけです。
(どうしよう。すっごくドキドキする…)
冷静になんなきゃ・・・
絶対顔が紅くなってると思う。
でもあの服着た有希を想像したら・・・ねぇ?
(ダメだって・・・・・)
妄想が暴走しそう。
ダメダメ、変態じゃん俺。
でも・・・
どっちかっていうとカッコいい格好しか見たこと無いから仕方ないだろ。
今日だってさっきの格好・・・
身長低いけどあの人カッコいいー!とか女子に騒がれそうな格好してた。
そういえば、男に声掛けられるのが嫌だって言ってた。
まぁ可愛いもんな、有希って。
俺も隣に座ってたら声かけるかも。
でも、女子ってそういうのって嬉しいもんなんじゃないの?
だって可愛いから声掛けられるってことでしょ。
あんまりモテるとか興味がないのかな。
でも、今日は俺がしっかり守らなきゃね。
絶対声掛けてくる奴がいると思う。
有「き、着替えましたぁ・・・・」
あ、出てき、た・・・
(---------、--------!!?)
な・・・・なななに・・・・・
誰・・・・・この人---
(う、嘘だろ---)
すっごく・・・・・・・
可愛い。
ドアを半開きにして
恥ずかしそうに見上げてくる有希。
いつもと違う格好も
その恥ずかしそうな仕草も
やばいくらい可愛い。
想像してたより・・・・
ずっと、ずっと・・・
有「え、えーと。やっぱり元に戻りまーす。」
俺が反応出来なかったからか
似合ってないと勘違いしたのか
再び着替えようとドアをしめようとする有希。
(ちょ・・・ちょっと待って!)
「ダ、ダメ!」
有「は?」
とっさに有希の手を掴む。
有「あの、手ェ放して」
「すっごく可愛い。」
有「・・・・・・・は?」
「ビックリした。いつもとあんまり違いすぎて・・・すっごく可愛いよ。」
有「・・・・・そりゃどうも。」
自分のものとは思えないくらい恥ずかしい言葉がぽんぽん出てくる。
焦ると嘘がつけなくなるらしい。
「い・・・・行こ。」
有「え・・・・!?」
また着替えるとか言われたら面白くない。
有希の手を掴んだまま玄関に向かった。
(ちょ・・・ちょっと。マジでちょっと・・・)
脳内日本語が上手く立ち回ってくれない。
そのくらい焦ってる。
そのくらい・・・・
本当に可愛くて
心臓が踊り狂ってる。
どうしよう。
もしかして俺・・・
どうしようもないくらい
有希のこと好きになっちゃうんじゃないのか?
(落ち着け・・・落ち着け・・・)
まともじゃない頭を何とか奮い立たせて
有希の手を引いて、外に出た。
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