約束

約束 06 ~GAME







(な、なんで・・・・)








最近、あいつの名前がぽんぽん飛び出してくる。








特にあいつを知らないヤツの口から。








まあ直樹と玲くんは仕方ない・・・

さっき皆でアルバム見てたし
昨日から司がご丁寧に説明してるから。







でも、それでもやっぱり











聞きたい名前ではない。











(くそ・・・)







玲くんから目を逸らし、無理矢理コーヒーを喉に流し込んだ。

なんとなく見られてるような気がするけどテレビ画面を凝視する。

今は・・・目を合わせたくない。







玲「忍くんの写真、たくさんあったから。あまりにも綺麗過ぎて見とれちゃった。」

「そ、そっか・・・た、確かに綺麗な顔してるかもな。」







(----動揺するな。)







怪しまれらやっかいだ。

できるだけ自然に受け流せ。
そしてさり気なく話題を変えろ。






玲「司くんと忍くんが幼馴染ってことは・・・透ちゃんもだよね?」

「ま、まぁな。」

玲「羨ましいな。幼馴染って憧れる。」

「そ、そうか?でも別にいいもんでもないぞ。ただ-----付き合いが長い、だけで・・・」

玲「・・・ふーん。」







部屋の空気はひんやりしてるはずなのに







額から顎へ汗が流れた。








(ダ、ダメだ---)








動揺のせいか頭が回らない。







それにやっぱりムリだ。







これ以上話すと余計なことまで思い出しそうで










---怖い










玲「いつから知り合いなの?」

「え、と・・・」

玲「・・・・・。」

「何歳のとき、だったかな・・・」







とにかく話題を変えなきゃ。







なんでもいい
なんでもいいから



なにか別の話を--











玲「透ちゃんもしかして・・・忍くんとケンカしてる?」










「え・・・?」










あまりにも意味不明な質問に

うっかり玲くんを見上げてしまった。






だって・・・








え?









玲「忍くんとなにかあった?」

「な、なんで?」

玲「なんでって・・・なんとなくそんな気がするから。」

「そ、そうか?でも別に、な、何もないけど・・・」








(------!)








これは世間話のはずだ。




今日のご飯おいしかったねーとか
明日の休みは何するーとか

そんな薄っぺらい会話と同じただの世間話。








なのになんでだろう。








こっちを見る玲くんの目が妙に真剣で・・・








気のせいかもしれない
勘違いかもしれない








けど










なにかを探られてるような気がする