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(な、なんで・・・・)
最近、あいつの名前がぽんぽん飛び出してくる。
特にあいつを知らないヤツの口から。
まあ直樹と玲くんは仕方ない・・・
さっき皆でアルバム見てたし
昨日から司がご丁寧に説明してるから。
でも、それでもやっぱり
聞きたい名前ではない。
(くそ・・・)
玲くんから目を逸らし、無理矢理コーヒーを喉に流し込んだ。
なんとなく見られてるような気がするけどテレビ画面を凝視する。
今は・・・目を合わせたくない。
玲「忍くんの写真、たくさんあったから。あまりにも綺麗過ぎて見とれちゃった。」
「そ、そっか・・・た、確かに綺麗な顔してるかもな。」
(----動揺するな。)
怪しまれらやっかいだ。
できるだけ自然に受け流せ。
そしてさり気なく話題を変えろ。
玲「司くんと忍くんが幼馴染ってことは・・・透ちゃんもだよね?」
「ま、まぁな。」
玲「羨ましいな。幼馴染って憧れる。」
「そ、そうか?でも別にいいもんでもないぞ。ただ-----付き合いが長い、だけで・・・」
玲「・・・ふーん。」
部屋の空気はひんやりしてるはずなのに
額から顎へ汗が流れた。
(ダ、ダメだ---)
動揺のせいか頭が回らない。
それにやっぱりムリだ。
これ以上話すと余計なことまで思い出しそうで
---怖い
玲「いつから知り合いなの?」
「え、と・・・」
玲「・・・・・。」
「何歳のとき、だったかな・・・」
とにかく話題を変えなきゃ。
なんでもいい
なんでもいいから
なにか別の話を--
玲「透ちゃんもしかして・・・忍くんとケンカしてる?」
「え・・・?」
あまりにも意味不明な質問に
うっかり玲くんを見上げてしまった。
だって・・・
え?
玲「忍くんとなにかあった?」
「な、なんで?」
玲「なんでって・・・なんとなくそんな気がするから。」
「そ、そうか?でも別に、な、何もないけど・・・」
(------!)
これは世間話のはずだ。
今日のご飯おいしかったねーとか
明日の休みは何するーとか
そんな薄っぺらい会話と同じただの世間話。
なのになんでだろう。
こっちを見る玲くんの目が妙に真剣で・・・
気のせいかもしれない
勘違いかもしれない
けど
なにかを探られてるような気がする
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