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玲「透ちゃんって・・・」
「・・・。」
玲「やっぱり面白いね。」
「え。」
---かぽーん
何度目の鹿おどしだろう。
見つめ合うことしばらく。
やっと口を開いたかと思えば・・・
なんだそりゃ。
玲「透ちゃんを始めて見たのって葵くんのBARだったんだけどさ。」
「・・・。」
玲「その時思ったんだ。この子なら絶対楽しめるって。」
「コラ。」
満面の笑みでとんでもないことを言うな。
しかもなんだその表情は。
なんて楽しそうな顔してんだ。
玲「それに不思議なんだけど・・・透ちゃんといるとドキドキする。」
「ドキドキ?ウキウキの間違いだろ。」
玲「これって---恋の始まりなのかな。」
「・・・何言っちゃってんの。」
こんな始まりがあってたまるか。
(おいおい・・・)
勘弁してくれよ。
全く話が進まないじゃないか。
(くそ、面倒だ・・・)
しかし諦めるわけにはいかない。
今後の身の安全の為にも、ここはしっかり話を通しておかねばならん!
玲「透ちゃん?どうしたの?」
「・・・。」
よいしょと体勢を変え玲くんと向かい合う。
そしてきちっと正座してばっちりと目を合わせた。
「玲くん、落ち着いて良く聞いてくれ。」
玲「うん。」
「私は、玲くんを楽しませることは出来ない。」
玲「そんなことないよ。」
「そんなことある。なぜなら私には君と遊ぶ時間と体力がない。」
玲「え?」
「それと・・・
これが一番大切だから良く聞いてくれ。」
玲「なに?」
「私は君と大人の関係を持てない。つまりエッチできないしするつもりもない。」
玲「・・・。」
「分かったか?だからゲームの相手は他を当たってくれ。」
玲「・・・。」
「世の中女子がわんさか溢れてるんだ。玲くんを楽しませてくれる子もすぐ見つかるさ!」
玲「・・・。」
多分。
「とにかく、私のことは諦めてくれ。」
玲「・・・。」
「いいな?宜しく頼んだぞ?」
玲「・・・。」
以上。
透によるゲーム脱退演説を終了します。
玲「・・・・。」
「・・・・。」
玲「・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
玲「・・・どうしてもダメ?」
「ど、どうしてもダメだ!」
眉根を寄せて見つめてくる玲くん。
まるで子犬を苛めているようで胸が痛む---
でもごめんな!
こればっかりは譲れんのだ!
玲「はぁ・・・」
「・・・。」
玲「分かった。」
「え。」
玲「ゲームは諦めるよ。」
「・・・。」
ため息と共に目を伏せる玲くん。
ていうか諦めるって・・・
ほんとに!?
玲「どうせなら辰巳と晋にも言っててあげようか?透ちゃんがゲームやめたがってるって。」
「え!言っててくれんの!?」
玲「うん。」
「マジで!?助かるよ玲くん!宜しく頼む!」
玲「分かった。」
(なにコレ!なんて素敵な展開-----!!)
王子→×
変態→×
俺様→×
さてここで問題です。
全てが消え去った後、私に訪れるものはなんでしょうか。
答えはもちろん・・・
世界平和!
玲「その代わり・・・一つお願いがあるんだけど。」
「なんだなんだ!?なんでも言ってくれ!」
玲「あのさ・・・」
「ん?」
玲「俺と、友達になってよ。」
---友達?
玲「さっき、もう連絡もするなって言っただろ?」
「あ、あぁ・・・」
玲「でもせっかく知り合ったのにこれでお別れなんて悲しいから。だから友達になって?」
「・・・。」
(怪しい・・・)
その友達って本当に友達か?
○○友達とか△△フレンドとか。
そういう友達じゃないだろうな---
玲「あ!今俺のこと疑ったでしょ!」
「え!」
玲「その反応は図星だ!」
「い、いやいやそんな---!」
玲「酷いよ透ちゃん。純粋に友達でいたいだけなのに・・・」
「うわわわごめんよ!そうだよな!ピュアフレンドだよな!」
玲「・・・。」
(そ、そんな目で見るなー!)
よっぽどショックだったのか。
がっくり肩を落とし恨めしそうにこっちを見る玲くん。
押し寄せる罪悪感が半端じゃない。
「あ、謝るからそんな顔するな!私らもう友達だろ!?」
玲「・・・本当に?神様に誓ってくれる?」
「もももちろん!神様にでもボスにでも誓ってやる!」
玲「ボス?誰それ何のボス?」
「いや、ボスってのは弟の家のネコで--」
玲「へぇ、名前がボスなの?可愛いね。」
「だろだろ?これがまた見た目も可愛くてさぁ。」
玲「じゃあ、その可愛いボスに誓ってね?」
「え?あ、ああもちろん!」
ニコッと表情を戻す玲くん。
機嫌を治してくれたらしい。
本当に良かった。
しかし---
私は甘かった。
玲「それじゃ、はい。」
「ん?なんだこの手は。」
玲「友達になった記念の握手。」
「そ、そうか!記念か!」
我々は「友達」になってしまった。
だがこの行為
わずか数秒後
頭を抱えて悔やむことになる。
玲「これからも宜しくね、透ちゃん。」
「ああ。宜しくな、玲く-----」
(---------ッ!!?)
大きな手に包まれた瞬間、手を引かれた。
なんの警戒もしていなかった体は吸い寄せられるように玲くんの方に傾いて
そして--
ちゅっ・・
玲「うわ、透ちゃんの唇って柔らかい。」
「・・・・・・・・。」
玲「ねぇ、もう一回してもいい?今度は深く重ねたい。」
「・・・・・・・・。」
玲「ダメ?」
「・・・・・・・・。」
友達って、なんだったっけ。
ちゅーを交わす関係だったっけ?
もっと深いヤツを・・・
なんて求め合うもんだったっけ---
「いやいや違うだろー!!」
玲「え?どうしたの?」
「どうしたもこうしたもあるかー!いきなり友達の壁を飛び越えやがって!」
玲「?」
「玲くんなんか玲くんなんか---絶交だ!!」
玲「絶交?え、そんなの嫌だよ。何言ってんの透ちゃん。」
お前が何言ってんだ!
「とにかく---離れろコラ!」
玲「もー、そんなに暴れないで。キスできないだろ?」
「えっ!?」
玲「ほら、こっち向いて。」
「ちょっ、ちょちょちょーーー!!!?」
後々分かったことだが
どうやら玲くんの脳内には間違った知識が保管されているらしいことが分かった。
「女友達」
→エッチしても縁を切らない女子
有り得ない。
だが、さすがあの変態辰巳に「エロス」と呼ばせた男。
どんなに可愛い顔してても中身はやっぱりエロスなんだな。
いやいやそんなことはどうだっていい!
「やや、やめろー!」
玲「しー、静かにして?そんなに騒いだら誰かに聞こえちゃうよ?」
「そ、その手があったか!ちょっと女将さぁーーーん!どうか助けてくださーーーい!!」
玲「もー、しょうがないなぁ・・・」
「えっ!ちょ!やめ---------!!」
これって、ヤバイんじゃないの・・・
「バカ!やめッ----んぅー!!」
私ってば・・・
とんでもないのと友達になったかもしれない!!
-----GAME・やっぱりエロス(完)
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