初体験

初体験—09 GAME






「----ッ-----ぁッ・・!」






静かな部屋に響く余裕の無い息遣い。

そして我慢しきれずに漏れる、甘く掠れた嬌声。





「・・ハッ・・・ハァッ・・!」





軽い酸欠状態。

頭がクラクラして、目を瞑るとそのまま意識を持っていかれそうだ。




とにかく、熱い。





部屋の空気は涼しいくらいなのに体中から熱が溢れてくる。





「ちょっと---タイ・・ム・・・」





とりあえず落ち着かせてくれ。

横を向くとシーツが頬に触れた。
ひんやりしてて気持ちいい。









「大丈夫か?」








ボーっとしてると声が降って来た。


ゆっくり顔を動かす。

視線を上げるとチカチカする視界に鋭い瞳が見えた。





晋「透。」
「・・・ん・・」
晋「大丈夫か?」
「・・・?」






(え・・・と---?)






大丈夫って・・・何のことだっけ?






一瞬、質問の意味が分からなかった。






だが、それは一瞬。






「---ッ!ムム、ムリ!ムリムリもう無理っ!!」






自分の状況を思い出す。
そして一気に頭が覚醒。


大丈夫か、だと?


なんて白々しい。
大丈夫なわけないだろ!






晋「・・・元気だな。」
「バッ、バカヤロ!これのどこが元気なんだ!」
晋「激しく元気じゃねぇか。」
「ふざけんな!ちょ---待っ--!」






近づいてきた体を必死に押し返す。






だが、まるで無駄な足掻きだ。






「もう、やめ------ぁッ!」






そしてまた






甘く痺れるような愛撫が再開。










あれから一体








どれだけ時間が経った?









凶器・俺様キッスに翻弄され、あれよあれよという間に服を奪われ

気付けば服はおろか下着さえも着てない。
怒涛のスッポンポンスタイル。



そんな装備アイテム"無"の私の上に陣取る晋。



逃がさねぇよってことか?

さすが肉食系代表。
狙ったエモノは決して逃さない。






いやいやそんなことはどうでもいい。









逃げねば・・・










晋「こら。」
「----ッ!」
晋「逃げるな。」
「・・・・ぁッ!」






近づいてきた唇を避けると怒られた。

その上強引に腰を引き寄せられ更に近くなる距離。

そしてお仕置きと言わんばかりに胸元に吸い付いてきた。






「・・・ゃ、やめろッ!」






このキス魔め。

首筋、鎖骨、胸、腹部・・・
至る所に唇を押し付け紅い印をつけていく。

恐らく酷い状態になってるはずだ。
体を確認するのが怖い。






(----!)






恐る恐る下を見ると視線がぶつかった。






「ちょ---!」






肌から唇を離し口角を上げる晋。
濡れたソレが激しくエロい。

そして体を後退させ、腹部に吸い付いてきた。

もちろん、視線は繋がったまま・・・






「こ、こら---ぁ、ンッ・・・!」






そのままゆっくり、胸に向かって肌を舐め上げてくる。






そして胸の膨らみにチュッと吸い付き






敏感な突起に、ねっとりと舌を絡みつけた。







「・・ぁ---ぅあッ!」







強烈な刺激に背中が仰け反る。






「----ッッ、っ!」






吸われて転がされて、軽く歯を立てられ

その度に体がピクッと跳ね上がる。







「・・ッ---ぁ、あっ・・ん!」







終わらない愛撫に押さえ切れなくなる声。


次第に快感を受け流すこともできなくなって、下腹部がキュッ・・・と萎縮を始める。

そして---











ナカに沈み込んだ晋の指を
淫らに締め付けてしまう。











晋「そんなに気持ちいいのか?」
「---っ!」
晋「締め付けてくる。」
「----ッ・・うるさ・・い!」






わざわざ報告するとは・・・
なんて破廉恥なヤローだ。


卑猥な囁きに思わず足を閉じた。
と思ったら晋が邪魔で閉じられない。

退け、の意味を込めて思い切り睨んでやる。






晋「強がるなよ。」
「----ッ・・ぁ!」






クツクツと笑う晋。

そしてクチュッ、と卑猥な音を立てて指が動き出した。

同時に激しい快感が背中を駆け上がる。






「ゃッ、やめ----ッ!」
晋「止めていいのか?」






奥深くまで侵入した長い指が中を掻き回す。

そして一際感じる部分を見つけるとそこを執拗に擦り上げてくる。





---クチュ、クチュッ





耳を塞ぎたくなるような淫らな水音。

「こんなに濡らしやがって・・・」

そう指摘されてるような気がして、恥ずかしさに顔から火が出そうだ。








出来れば突き飛ばして逃げてしまいたい。








だが、体は悦んで晋の指を飲み込んでいく。







「・・ぁッ---抜い、て---!」
晋「嫌だ。」






今にも弾けそうな快感が何度も何度も押し寄せる。

腰が小さく震え、呼吸が浅くなっていく。







(ダメ・・・だ・・・!)







このままじゃまた










また、イってしまう---










「待っ---て!や・・嫌っ!」
晋「・・・!」










持てる力を振り絞ってヤツの体を押した。









---イくのは、嫌だ。









だって、アイツの声が聞こえるかもしれない








アイツの声も
アイツを思い出すのも







怖い。








「待ってッ・・・待って!」








怖い






怖イ・・・








コワイ・・・!








晋「透。」
「嫌だ---晋っ!」
晋「怖がるな、大丈夫だ。」
「----ッ--!」







大丈夫だって?

人事だからって適当なこと言うな!

声を最大にして訴えたい。




でも---









ダイジョウブ









晋が言ったからとかそんなじゃない。

だけど、大丈夫。

なぜって---









「んぅっ!」








前置きも無く唇を塞がれた。

無理矢理舌を捻じ込まれ口内を蹂躙される。






「んぅっ、ん・・・!」






首裏に回った手に顔を固定される。

舌先を優しく絡めてきたかと思えばきつく吸われて

息もつけない、激しい口付け。


でも---










すごく、気持ちいい










「んぅッ!?---んっ、んんッ!」







唇を塞がれたまま愛撫が再開された。

十分過ぎるほど濡れてるはずなのに、指の動きに合わせて奥からイヤらしい蜜が溢れてくる。










---恐怖?









そんなもの









キスが気持ち良過ぎて考えられない・・・









(----------っ!!)








ヤツの親指が固くなった突起を掠めた。

そして溢れ出した蜜を指に絡ませ、器用に擦り上げてくる。






「っ!---ッ・・んーッ!!」






指を追い出そうと収縮する秘部。
その抵抗を捩じ伏せ暴れまわる長い指。

そして快感を煽るように弄ばれる尖り。







(待っ------て・・・・!)







刺激も、快感も---激しすぎる。








「んッ、んぅッ、---っ!!」







腰が震える
背中が仰け反る

目の前が霞む
呼吸が、できない---







 ダメ






  ダメだ・・・










 イ、く-----ッ---!












「---------ンッ---ッッ!!」















声にならない悲鳴。









それと同時に、体中が快感を貪った。








「ハッ-----ぁッ・・!」








解放された唇から勢いよく酸素が入り込む。

酸欠で頭がクラクラする。






「はぁ---ッ・・ぅ----ッ・・」






呼吸が上手く出来ない。

熱くて、苦しくて、体が重い・・・








そして予想通り








恐怖に呑まれることはなかった。