realReal

real Real 05





「なぁ、彰。」

「な・・・なにっ・・」




















「好きだ。」




「---っ!」




















---好きだ

















初めに言われた時も
最後に言われた時も






この言葉がどれだけ嬉しかったか






そして応えないと決めた時






どんなにつらくて苦しかったか








でも

















「・・・っ・・好きだ・・・」














何が起こってるのかさっぱり分からない。



もしかしたらこれは夢の続きなのかもしれない。

頬をつねったら痛くないのかもしれない。






でも













「私も、お前が好きだっ!」
















たとえ夢でも現実でも














もう、ウソはつけない。





















「やっと聞けた。」























泣く子も黙る、不敵な笑み。










「おいで、彰。」










そしてその大きな手に引き寄せられて









大好きな腕の中に










飛び込んだ。






















普通を愛する普通の女。

そんな私、佐野彰。





刺激的な毎日もイケメン王子もいらない。

ただ流れに身を任せて
普通に生きていければそれでいい。





そう思ってた。

そして今もそう思ってる。






でもこの三流ファンタジーにだけは

心から感謝したいと思う。







ありがとトラック

ありがと神様







私をとんでもないとこに飛ばしてくれてありがと。







そして











私を、こいつに会わせてくれてありがと。













(あれ・・・)













ところで---なんで私は無傷なんだ?















(まぁ・・・いっか。)





















「あー!彰ちゃんが起きてる!しかも俺の迅さんに抱きついてるー!」
「あ、おはよう佐野。気分はどう?」
「しーっ!!二人とも静かにしてよ!せっかく二人のラブを動画に収めてるんだから!」
「お前・・・動画って・・・」
「ウソ!後で送ってよ良子ちゃん!」
「分かったから静かにして!」

「・・・。」
「・・・。」




















---end.