なんか気になる

なんか気になる11 realReal


「眠い、そうだ、眠いからだ。」






カバンを床に置きながら独り言。

言っておくがあいつを待ってみようと思ったわけじゃない。

眠いからだ。
そして眠すぎて風邪を引いたんだ。






「風邪引いたから休む。」
『ふーん、珍しいな。一人で大丈夫?』
「ああ。」
『じゃあゆっくり休みなさい。何かあったら電話しなさい。』
「分かった。」





橘に電話したらコロッと騙されやがった。

日頃の行いがいいからな。
こういう時は役に立つ。






『そうだ、佐野は?ちゃんと学校に向かったか?』

「------。」






聞かれるのは分かってた。

「知らない」と答える準備もできてた。






なのになぜか、答えられなかった。







「・・・あいつも風邪引いたって。」
『・・・ふーん。隣人同士仲良く風邪ですか。はっ!ま、まさかお前っ---!』
「・・・なんだよ。」
『嫌がる佐野を無理矢理連れ出して泣き喚く佐野を無理矢理---!』
「バカかお前。そんな趣味はねぇ。それに誰があんな・・・」
「?」






あんな・・・






あんなホラ吹き女・・・







『どうした?大丈夫か?』
「・・・ああ。」
「とにかく今日はゆっくり休めよ?元気が出たら佐野にも伝えてて。』
「・・・・・。」
『西本?』
「・・・・・分かった。」






伝えられたら伝えとく。










「はぁ・・・」










通話を切り、床に座る。





(・・・・・・・・。)





ベッドに背もたれボーっと部屋を見回して

ふと、キッチンで目が止まった。






「あ・・・」







そこには昨日あいつが持ってきたカレーの鍋が置いてあった。







「・・・。」








なぜかそいつから目を逸らせなかった。











「調子、狂う・・・」