「眠い、そうだ、眠いからだ。」
カバンを床に置きながら独り言。
言っておくがあいつを待ってみようと思ったわけじゃない。
眠いからだ。
そして眠すぎて風邪を引いたんだ。
「風邪引いたから休む。」
『ふーん、珍しいな。一人で大丈夫?』
「ああ。」
『じゃあゆっくり休みなさい。何かあったら電話しなさい。』
「分かった。」
橘に電話したらコロッと騙されやがった。
日頃の行いがいいからな。
こういう時は役に立つ。
『そうだ、佐野は?ちゃんと学校に向かったか?』
「------。」
聞かれるのは分かってた。
「知らない」と答える準備もできてた。
なのになぜか、答えられなかった。
「・・・あいつも風邪引いたって。」
『・・・ふーん。隣人同士仲良く風邪ですか。はっ!ま、まさかお前っ---!』
「・・・なんだよ。」
『嫌がる佐野を無理矢理連れ出して泣き喚く佐野を無理矢理---!』
「バカかお前。そんな趣味はねぇ。それに誰があんな・・・」
「?」
あんな・・・
あんなホラ吹き女・・・
『どうした?大丈夫か?』
「・・・ああ。」
「とにかく今日はゆっくり休めよ?元気が出たら佐野にも伝えてて。』
「・・・・・。」
『西本?』
「・・・・・分かった。」
伝えられたら伝えとく。
「はぁ・・・」
通話を切り、床に座る。
(・・・・・・・・。)
ベッドに背もたれボーっと部屋を見回して
ふと、キッチンで目が止まった。
「あ・・・」
そこには昨日あいつが持ってきたカレーの鍋が置いてあった。
「・・・。」
なぜかそいつから目を逸らせなかった。
「調子、狂う・・・」
なんか気になる11 realReal
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