「あ、あのさっ!佐野さんは西本君と知り合いなのっ?」
「へっ?」
西本?
「え!彰ちゃんって迅さんと知り合いなんすか??」
迅さん?
西本のこと?
「知り合いっていうか。隣の------席なだけ。」
「えー、そうなのぉ?」
隣の家、と言いかけたけどやめた。
なんだかすごく面倒なことになるような気がした。
「昨日も今日も仲良さそうに話してたからさぁ。」
「ねー!羨ましいよねぇ!私も話したぁい!」
「仲良しってわけじゃ・・・それに話したいなら話せばいいだろ?」
「「えー!ムリ!」」
「そ、そうなの?」
「「そうだよぉ!!」」
ここから討論が始まった。
議題は西本の魅力について。
メンバーはこちらの女子2人。
そしてなぜか男子代表、大崎。
「冷たいっていうかぁ。クールっていうかぁ。」
「でもそういう人を寄せ付けない雰囲気がカッコイイんだよねぇ!」
「そうそう!大人ってかんじー!」
「ふ、ふーん。」
大人なのか?
無愛想じゃなくて?
「分かる分かるー!でも迅さんの魅力の原点はやっぱり美だよね!」
ノリノリだな大崎。
「さすがアラタ君!分かってるぅ!」
「ほんと、カッコイイよねぇ。」
「だよねー!だからさ、彰ちゃんが"神様"って叫んだ気持ちすっごく分かるっす!」
「「私もー!」」
「いや、それは」
「私なんて初めて見たとき息するの忘れたもん!」
「分かる分かるぅ!」
(ふーん。)
どうやら世話係西本は本当にモテルらしい。
でも、確かに見た目はすごいと思う。
寒気がするほど美しい顔。
均整の取れた体にすらりと高い身長。
一言で言えば超イケメン。
ま、残念なことに性格はひねくれてるけどな。
「大人ってかんじー!」は良く分からない。
でも「冷たい」とか「人を寄せ付けない」とか、その印象はなんとなく分かる。
とにかく奴はツンツンギラギラしている。
まるで気高い野良猫だな。
ま、そんなことはどうでもいい。
奴がどんなに冷たかろうが人を寄せ付けなかろうが私には関係ない。
元に戻れるよう協力してくれさえすればそれでいい!
「よーしお前ら、席に着けー。」
「あ!先生来た!」
チャイムと共に橘がやってきた。
討論会はここで終了。
皆さんお疲れ様でした。
「53ページ開けー。」
さ、頭を切り替えよう。
なんだかんだで学校に来てしまったわけだし
黙って抜け出したら世話係に迷惑が掛かるし
今日のところは大人しく授業を受け
(あ・・・)
「西本。」
「なに。」
「教科書見せて。」
「は?」
「早退するつもりだったからさ。教科書なんも持ってきてない。」
「・・・・・机持って来い。」
「うす。」
すみませんね。
世話の焼ける大人で。
誰か、ウソだと言って06 realReal
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