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「それにしても、すんごくでかい家っすね。構造も無駄に豪華だし。意味が分からん。」
本当にでかいのだ。
階段も絨毯張りの螺旋階段。
お城かってんだ。
累「そうだろ?俺もよく分かんない。」
右頭上から降ってくる声。
神崎累。
可愛い顔して結構身長があるらしい。
明るく元気で『俺のモットーは太陽です!』
そんな感じ。
ちょっと一言いいっすか。
私の弟になんねぇ?
累「何か言った?」
「あれ聞こえた?心の声かな。」
累「…口に出てるぞ。」
「おっと、そりゃ失礼。」
口に出ていたらしい。
純「ここだよ、姫。」
「・・・ほぅ!!」
皆の部屋と同様とっても高級感溢れるドア。
部屋の中もさぞ綺麗なんだろうなぁ・・・
いや待て。
その前に・・・
これは?
これは一体・・・
「あの・・・このおびただしい数の鍵はなんだ?」
皆のドアと違う点。
それはドアノブ辺りに付け加えられた多数のカギ達。
この部屋は独房か?
なんとなく歴代管理人達の苦労を垣間見たような気がした。
累「ああそれ?今までの管理人さん達が自主的にね。いつの間にか増えたんだよ。無駄なのにね。」
「え?」
累「だってどんなにカギを増やしても意味無いよ。孝なんてヘアピン一本で開けるんだよ?すごくね?」
「・・・・・。」
なんで開ける必要があるんすか。
頼むから普通の会話をしてくれ。
常識レベルでお願いします。
「へ、へぇ・・・個性的な特技だな。」
色々と気になるところだが・・・
とにかく今は部屋の中だ。
「おぉ。」
想像通り中も広くて綺麗だ。
しかも角部屋のため窓も2箇所ついている。
なんとも素敵な部屋だ。
「いいっすね。広い。」
中に入り、歩き回る。
でかいクローゼット。
収納もばっちりだ。
「よーし。それじゃ、ぼちぼち運ぶとするか。」
ベッドはそこで、愛するパソコン達はあっちにセッティングして・・・
ふふふ。
部屋の出来上がりをイメージして思わず顔が緩む---
PiPiPiPiPi・・・・・
(・・・ん?)
ポケットが震えた。
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