有「・・・・・・ん、酔えた・・・・かも。」
そろそろノルマを果たしたかな、と思っていたら。
やっと酔えたらしいです。
「…大丈夫ですか?」
有「大丈夫大丈夫いつものことだろ?心配するな。」
(それはそうなんだけど…)
仕事柄、俺は飲まないといけないこともある。
でも姉ちゃんの飲む量は半端じゃないしこれが毎日なんて・・・
マジで心配になる。
孝「帰るか。」
有「・・・あぁ。」
真「着ろ。」
有「お・・・サンキュ。」
もちろん一緒にお帰りらしいお2人。
ササッと上着を着せる真樹さん。
孝さんはカウンターに出された有希さんの私物をバッグに入れる。
こう見るとNO.1ホステス様の取り巻きだ。
男性陣のレベルが高過ぎだけど。
有「仁、いくらだ?」
「あ、えと・・・」
孝「今日は俺。」
真「分かった。」
うわわ…
こういうところってやっぱりカッコいいなーって思う。
自然にやってのけてしまうのが憎いところであります。
有「おい待て。まだ金払ってな-----ちょちょちょっとー!!」
真「出てるからな。」
孝「あぁ。」
有希さんのバッグを掴み、肩を押して出口に向かう真樹さん。
なんて見事な連携プレー。
有「ふざけんな!おい仁!私の分は別にしとけ!明日払いにくるから-----ぁぁぁー!!」
連れ去られていった。
孝「足りるか?」
「あ、はい。ありがとうございます。」
3人分、確かに頂きました。
孝「なぁ。」
「え?」
あれ、この声は・・・孝さん?
え、ちょっと待って。
話しかけられてるのってまさか・・・
俺!!?
孝「あいつがもし一人で来た時は・・・見ててやってくれ。」
「えっ?!」
こ、孝さんに頼まれ事…?
ここ、孝さんに頼まれ事!!
やややややばい。
俺ってすごくねェェ!!??
「も、もちろんです!」
孝「・・・サンキュ。」
そして---
本日二度目のキラースマイルを頂きました。
(ママ、マジで---!)
マジでカッコいいっすよ2人とも!!
俺の心臓ズッキューンっすよ!!
打ち抜かれましたよ!!!
孝「じゃぁな。」
「は、はいっ!ありがとうございました!」
背後手に軽く手を上げて、孝さんも帰って行った。
ありがとう2TOP様。
ありがとう姉ちゃん。
ありがとうジャパン。
すんごく疲れたけどすんごくいいモノを見させていただきました。
『なぁ仁、あの人達ってマジですげぇよな。』
孝さんの背中が見えなくなったと同時に店員仲間に話しかけられた。
「だよね。なにがすごいって・・・説明できないのがすごい。」
『意味分かんないけどなんとなく分かるのがまたすごい。』
うん、とにかくすごいのだ。
『それにしても仁。お前、気に入られたみたいだな!羨ましいー。』
「いいだろーと言いたいとこだけど。たまには助けてくれよ!」
『はぁ!?無理無理無理無理!!』
「・・・・・・・・・・・。」
分かるよその気持ち。
俺だって・・・・
俺だって大変なんだぁ!!
まぁでも
あの二人・・・
有希さんのこと好きなんだなぁ・・・
今まで女子を連れて良く来てたけど
しかも連れてくるのはニ度見するくらい綺麗だったりセクシーダイナマイツだったりのお姉さん達。
でも今は・・・
口も悪ければ色気も可愛げも無い男勝りな少年。
どちらかというとカッコいいお兄さんを追いかけている。
この変化は正直言って有り得ないって思っちゃうけど・・・
今まで見たことも無いような表情を浮かべるし
楽しそうだし
それに
真樹さんも孝さんも
ビックリするほど優しく笑う。
(見てる分にはとーっても楽しい。)
姉ちゃん、あんた・・・
やっぱいい女っすね。
明日も来るかな。
来るなら誰が着いて来るんだろ。
・・・・・・・・2TOP(完)