こんな始まり方

こんな始まり方 002~Loveholic


「え、あ、あのっ・・・?」

「・・・・・。」





まるで視線に押されるようにズリズリと後ずさってしまう。




(-----!)




しかしなんてことだ。

逃げる方向を間違ったか、背中が壁にドンとぶつかった。




そして後を追うように




桐山の手が伸びてくる。





「・・・・・。」

「・・・・・。」





顔を挟むように壁に置かれた大きな手

逸らすのは許さないとでも言うような鋭い視線





(え、ちょ、ちょっと待って。)





なにこの状況・・・





ちょっと、いやかなり





ドキドキするんだけど





「あ、あの、桐山、ちょっと離れて--」

「・・・俺は子供じゃありません。」

「え?」

「むしろ子供は本城さんの方です。」

「へ?」





な、なに、なんのこと?





「どんなにアプローチしても全然気付かないし・・・」

「え?」

「酔ってるからってこんな格好で出てくるし・・・」

「そ、それは・・・」

「男に対して全く危機感がない。」

「・・・。」




危機感っていうより動悸が危機なんですけど。

ドキドキがヤバイです。




「とにかく・・・本城さんが鈍いってことは良く分かりました。」

「に、鈍い?」

「だから教えてあげます。」

「な、なにを?」





「俺が男だってこと。」





(え---)





目を閉じる暇も無かった。





「---んっ!?」





気付いたら桐山の唇が自分に重なってた。





「んっ--んー!」





無意識に桐山の肩を押し返す。

でも無駄な抵抗だった。

あっという間に手首を壁に押し付けられて
顔を逸らそうにも強引な唇が許してくれない。





「ま、待------んぅっ!」





予想外の展開に激しく焦る。

だが「待て!」と口を開いた私は馬鹿だった。



気付いた時にはもう遅い。



熱い舌がスルリと滑り込んできた。





「・・ッ---んっ、ん!」





じっくりと味わうように舌が絡んでくる。

時々吸われて
甘く噛み付かれて

逃げては捕まり、捕まっては弄られる。





「ふ---ぁッ・・ぁ---」





(な、なに、これ・・・)





激しいのにどこか優しさを感じるキスに





だんだん体の芯が痺れていく。





(ど、どうしよう・・・)





キスってこんなに気持ち良かったっけ





まるでフワフワ浮かんでるみたいで





頭が、溶けそう・・・






「本城さん、可愛い・・・」






随分遠くから声が聞こえた気がした。

視線を動かすと少し上から私を見下ろす桐山。





(うわ・・・・)





これはきっと何かの間違いだ。





だってあの温厚で紳士な桐山が





色気たっぷりの妖しい雄に見える





「キスに感じたの?」

「----っ!」





形のいい目を細め
濡れた唇をぺロリと舐める。




その色っぽい仕草に





下腹部がゾクリと疼いた。





「ぁっ--!」





突然、背中を引き寄せられた。

そしてフワリと体が浮かぶ。

これって---




「ちょ、ちょっと待って!
 何すんの桐山!」




案の定、向かった先はベッド。




「こ、こら!いい加減にしなさい!」




抵抗むなしく、柔らかなシーツに押し倒される体。

焦りに任せて暴れてみる。

けど---

やっぱり力じゃ敵わない。





「ちょっ!やめ----ぁっ!」





早速さっきの続きだろうか。

ちゅっ、と胸元に吸い付かれて思わず変な声が漏れた。





「ん、ぅ----ぁっ--」





必死に抑えようとしてるのに
我慢すればするほどジワリと声が漏れ出てしまう。





「ふ、ぁ----待っ・・・!」





首筋から鎖骨、そして胸元へおりていく唇。

だんだんエスカレートしていく行為に焦りがつのる。





(ダメだ・・・)





止めなきゃ・・・

このままじゃマズイ!