秘密

秘密—–9 GAME

辰「------透!」
「-----えッ・・・」

 

一瞬、自分がどこにいるのか分からなかった。

 

辰「透ちゃん、俺が分かる?」
「---ぇ・・・っ・・・・?」

 

何度か瞬きするとぼやけた視界がゆっくりとクリアになる。

 

「え・・・・ぁッ・・・た、辰巳・・・さん?」
辰「------------。」

 

視界には心配そうな表情の辰巳さんが映る。

 

「は・・・・ぁッ・・・・」

 

それよりさっきのは・・・・・幻聴か?

 

辰「透ちゃん?」

 

視線を上げるとムカつくほど綺麗な顔。

辰巳さんのせいでパニックになりかけたのに、今目の前にいるのがこいつで良かった・・・なんて本気で安心してしまった。

 

(良かっ・・・た・・・・・・)

 

「はッ・・・・!はぁッ・・は・・ぁ・・・ッ!」
辰「----------。」

 

安心すると同時に息が上がる。
呼吸が上手く出来ない。

何を思ったか知らないが辰巳さんが腰を優しく撫でてくれる。

 

「は・・・ぁッ・・はぁっ・・・ぁ-----」
辰「よしよし。」

 

よしよしの意味は分からないが・・・
ヤツの手から体温が伝わってきて思い切り安心してしまった。

それにしても・・・

 

(怖かった・・・)

 

思い出した声が・・・
あまりにもリアルだった。

 

また

 

あいつに囚われてしまったのかと思った。

 

辰「落ち着いた?」
「え?あ、あぁ・・・・・・えっ!?すすすみませんっ!」

 

そういえば辰巳さんがいた・・・と思って目を開くと優しく抱きしめられていた。

どうやら手の拘束も解いてくれたみたいだ。

ところで、ふと気付くと自分の手がヤツのシャツをぎゅっと握っている。
激しく焦って放した。

 

「あああの・・・もう・・大丈夫なんで。は、離れてもらえませんか・・・」

 

無意識のうちにやっちゃった行動ってかなり恥ずかしいモンだ。
動揺を隠せない。

 

辰「あのさ。」
「は、はい。」
辰「この前も思ったけど・・・」
「-----え?」
辰「透ちゃん、快感が怖いの?」
「-----------っ!!」

 

ギクッとした。

相変わらず抱きしめられた体勢。
辰巳さんの顔は見えないが、なんとなく見透かされてるような気がして焦る。

 

「そ、そんなのどうだっていいだろ。あんたには関係ない。」

 

可愛くない言い方だがこれしか言えない。
それに答える義理も無い。

 

「と、とにかく私はこんななんでこれ以上は勘弁してください。それと離れて----」
辰「関係あるから聞いてんの。」
「え?」

 

体を起こして上から見下ろしてくる。
その顔はさっきと変わらず心配そうな表情。

 

辰「一つだけ言っとく。」
「な、なんだ?」

 

真剣な顔を向けられた。

 

「た、辰巳・・・さん?」

 

そしてその目があまりにも真っ直ぐで
不覚にも心臓が少しだけざわついた----

 

 

辰「透ちゃんがなんと言おうと、今日はやめてあげられない。」
「・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

心臓のざわつきは一瞬で静まった。

真剣な顔して何を抜かすかこの男は。
結局考えてるのはそのことですか。

 

「あ、あのですね・・・白状すると実はエッチするのが怖いというかなんというか。だからこれ以上は----」
辰「今日は絶対やめられない。これ以上我慢したらマジで死んじゃう。」
「じゃぁ死んでください。」

 

酷ーい!!といじけながら優しく髪に触れてくる。

酷いも何も、これ以上続けたら私が死んじゃいそうなんだよ。
察してくれよ。

 

辰「お仕置きは我慢するから。」
「そういう問題じゃなくてですね・・・ヤるなら他の女とヤって下さいよ。辰巳さんに抱かれたい女なんていっぱいいるでしょ。」
辰「いるけどイヤだ。」
「あのですね・・・」

 

辰「俺は、透ちゃんを抱きたいの。」

「・・・・・・え」

 

(・・・・・・えー。)

 

な、なんだかなぁ・・・

不覚にもドキッとしてしまったんですが。

 

辰「ねぇ透ちゃん。」
「・・・な、なんですか。」

辰「なんで怖いのか知らないけど・・・出来るだけ優しくするから。」
「は・・・・」

 

 

辰「今は・・・俺のことだけ考えて?」

 

 

「え---ちょっと-----んッ!」

 

顔が近づいたかと思ったら唇を塞がれた。

 

それと同時に下着の中に手が滑り込んでくる。

 

「んぅっ---んんーッ!!」

 

さっきの愛撫で十分に濡れてたらしい秘部。
辰巳さんの指は抵抗無く侵入してきた。

 

「・・・ゃッ--あ・・・んンッっ!」

 

突然の刺激に中がきゅっと萎縮する。

体が必死に指を追い出そうとする。
そんな抵抗を楽しむかのように長い指が押し入ってくる・・・

 

「ッぅ---あッ・・・んんッ!!」
辰「透・・・逃げるな。」

 

足を閉じようとしても押さえられて。
唇を離してもすぐに奪われる。

---クチュッ

秘部が卑猥な音を立てる。

快感が怖いと言っておきながら体はちゃんと反応してる。
むしろ貪欲に快感を欲してる。

 

「んっ・・んンッ----ハぁッ!」

 

ゆっくりと指が動き出す。
優しく内壁をなぞり、一際強く感じる場所を集中的に擦ってくる。

 

「んッ---!?ゃ・・・嫌だっ!」

 

そういえばこいつ・・・
前に「ここが好きなんだよねー」的なことを言ってた。

あの夜、一体なにをしてくれてたんだか----

 

そんなこと考えてる場合じゃ無い!

 

辰「イヤじゃないだろ?」

「ゃッ--嫌ッ---んっ!!」

 

イヤ・・・

 

じゃない。

 

けど無理だ。

これ以上感じると・・・確実に蘇る。
あの時のことを体が思い出す。

 

怖くて---

 

堪らない-----

 

「・・・ゃ・・ぁッ---ゃめ--!」

 

 

 強制的に快感を刻まれる。
 泣いても懇願しても与えられ続ける。

 

 

「ぃ--やぁっ!やめ--ッ!!」

 

 

-------怖---い・・・・っ!

 

 

辰「透・・・・・」

 

 

耳元で囁かれる低音の声。

 

はっとした。

 

恐怖に堕ちるかと思ったのに・・・

 

「え・・・・・・・・」

 

 

なのに・・・・なんで・・・・・・?

 

 

辰「透。俺は・・・誰?」
「え?」

 

耳元から離れて体を起こす辰巳さん。
そして至近距離で見つめてくる。

 

辰「ねぇ、誰?」
「・・・た、辰巳さん?」

辰「そう、透に触ってるのは俺。他の誰でもない。」
「・・・・・・・・んっ!」

 

軽く唇が触れた。

そしていつの間にか止まっていた指が再び動き出す。

 

「---っん!や・・・ゃめ---ッ!」
辰「目ェ逸らすな。透、俺を見て。」
「----ッぁ・・・あ---んっ!」
辰「名前呼んで?」
「・・た、辰巳・・・さ・・ん--ッ-」
辰「もっと呼んで。ずっと俺を見てて。」
「ぁッ!ゃあッ----辰・・巳さ・・・ッ」

 

目を逸らそうとすると強引に視線を取られる。
恐怖に堕ちようとすると名前を呼ばれる。

名前を呼べと言われて、呼んで・・・

 

「・・・ぁッ・・ダメッ---ぁあッ!!」

 

そして・・・・・

 

 

辰「透----イって・・・・」

 

「---んッ---------ッッ!!」

 

 

なんと

 

 

イかされてしまった。

 

 

「はぁっ---は・・・ぁ・・・・ッ・・?」

 

 

 

有り得ない・・・