辰「------透!」
「-----えッ・・・」
一瞬、自分がどこにいるのか分からなかった。
辰「透ちゃん、俺が分かる?」
「---ぇ・・・っ・・・・?」
何度か瞬きするとぼやけた視界がゆっくりとクリアになる。
「え・・・・ぁッ・・・た、辰巳・・・さん?」
辰「------------。」
視界には心配そうな表情の辰巳さんが映る。
「は・・・・ぁッ・・・・」
それよりさっきのは・・・・・幻聴か?
辰「透ちゃん?」
視線を上げるとムカつくほど綺麗な顔。
辰巳さんのせいでパニックになりかけたのに、今目の前にいるのがこいつで良かった・・・なんて本気で安心してしまった。
(良かっ・・・た・・・・・・)
「はッ・・・・!はぁッ・・は・・ぁ・・・ッ!」
辰「----------。」
安心すると同時に息が上がる。
呼吸が上手く出来ない。
何を思ったか知らないが辰巳さんが腰を優しく撫でてくれる。
「は・・・ぁッ・・はぁっ・・・ぁ-----」
辰「よしよし。」
よしよしの意味は分からないが・・・
ヤツの手から体温が伝わってきて思い切り安心してしまった。
それにしても・・・
(怖かった・・・)
思い出した声が・・・
あまりにもリアルだった。
また
あいつに囚われてしまったのかと思った。
辰「落ち着いた?」
「え?あ、あぁ・・・・・・えっ!?すすすみませんっ!」
そういえば辰巳さんがいた・・・と思って目を開くと優しく抱きしめられていた。
どうやら手の拘束も解いてくれたみたいだ。
ところで、ふと気付くと自分の手がヤツのシャツをぎゅっと握っている。
激しく焦って放した。
「あああの・・・もう・・大丈夫なんで。は、離れてもらえませんか・・・」
無意識のうちにやっちゃった行動ってかなり恥ずかしいモンだ。
動揺を隠せない。
辰「あのさ。」
「は、はい。」
辰「この前も思ったけど・・・」
「-----え?」
辰「透ちゃん、快感が怖いの?」
「-----------っ!!」
ギクッとした。
相変わらず抱きしめられた体勢。
辰巳さんの顔は見えないが、なんとなく見透かされてるような気がして焦る。
「そ、そんなのどうだっていいだろ。あんたには関係ない。」
可愛くない言い方だがこれしか言えない。
それに答える義理も無い。
「と、とにかく私はこんななんでこれ以上は勘弁してください。それと離れて----」
辰「関係あるから聞いてんの。」
「え?」
体を起こして上から見下ろしてくる。
その顔はさっきと変わらず心配そうな表情。
辰「一つだけ言っとく。」
「な、なんだ?」
真剣な顔を向けられた。
「た、辰巳・・・さん?」
そしてその目があまりにも真っ直ぐで
不覚にも心臓が少しだけざわついた----
辰「透ちゃんがなんと言おうと、今日はやめてあげられない。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
心臓のざわつきは一瞬で静まった。
真剣な顔して何を抜かすかこの男は。
結局考えてるのはそのことですか。
「あ、あのですね・・・白状すると実はエッチするのが怖いというかなんというか。だからこれ以上は----」
辰「今日は絶対やめられない。これ以上我慢したらマジで死んじゃう。」
「じゃぁ死んでください。」
酷ーい!!といじけながら優しく髪に触れてくる。
酷いも何も、これ以上続けたら私が死んじゃいそうなんだよ。
察してくれよ。
辰「お仕置きは我慢するから。」
「そういう問題じゃなくてですね・・・ヤるなら他の女とヤって下さいよ。辰巳さんに抱かれたい女なんていっぱいいるでしょ。」
辰「いるけどイヤだ。」
「あのですね・・・」
辰「俺は、透ちゃんを抱きたいの。」
「・・・・・・え」
(・・・・・・えー。)
な、なんだかなぁ・・・
不覚にもドキッとしてしまったんですが。
辰「ねぇ透ちゃん。」
「・・・な、なんですか。」
辰「なんで怖いのか知らないけど・・・出来るだけ優しくするから。」
「は・・・・」
辰「今は・・・俺のことだけ考えて?」
「え---ちょっと-----んッ!」
顔が近づいたかと思ったら唇を塞がれた。
それと同時に下着の中に手が滑り込んでくる。
「んぅっ---んんーッ!!」
さっきの愛撫で十分に濡れてたらしい秘部。
辰巳さんの指は抵抗無く侵入してきた。
「・・・ゃッ--あ・・・んンッっ!」
突然の刺激に中がきゅっと萎縮する。
体が必死に指を追い出そうとする。
そんな抵抗を楽しむかのように長い指が押し入ってくる・・・
「ッぅ---あッ・・・んんッ!!」
辰「透・・・逃げるな。」
足を閉じようとしても押さえられて。
唇を離してもすぐに奪われる。
---クチュッ
秘部が卑猥な音を立てる。
快感が怖いと言っておきながら体はちゃんと反応してる。
むしろ貪欲に快感を欲してる。
「んっ・・んンッ----ハぁッ!」
ゆっくりと指が動き出す。
優しく内壁をなぞり、一際強く感じる場所を集中的に擦ってくる。
「んッ---!?ゃ・・・嫌だっ!」
そういえばこいつ・・・
前に「ここが好きなんだよねー」的なことを言ってた。
あの夜、一体なにをしてくれてたんだか----
そんなこと考えてる場合じゃ無い!
辰「イヤじゃないだろ?」
「ゃッ--嫌ッ---んっ!!」
イヤ・・・
じゃない。
けど無理だ。
これ以上感じると・・・確実に蘇る。
あの時のことを体が思い出す。
怖くて---
堪らない-----
「・・・ゃ・・ぁッ---ゃめ--!」
強制的に快感を刻まれる。
泣いても懇願しても与えられ続ける。
「ぃ--やぁっ!やめ--ッ!!」
-------怖---い・・・・っ!
辰「透・・・・・」
耳元で囁かれる低音の声。
はっとした。
恐怖に堕ちるかと思ったのに・・・
「え・・・・・・・・」
なのに・・・・なんで・・・・・・?
辰「透。俺は・・・誰?」
「え?」
耳元から離れて体を起こす辰巳さん。
そして至近距離で見つめてくる。
辰「ねぇ、誰?」
「・・・た、辰巳さん?」
辰「そう、透に触ってるのは俺。他の誰でもない。」
「・・・・・・・・んっ!」
軽く唇が触れた。
そしていつの間にか止まっていた指が再び動き出す。
「---っん!や・・・ゃめ---ッ!」
辰「目ェ逸らすな。透、俺を見て。」
「----ッぁ・・・あ---んっ!」
辰「名前呼んで?」
「・・た、辰巳・・・さ・・ん--ッ-」
辰「もっと呼んで。ずっと俺を見てて。」
「ぁッ!ゃあッ----辰・・巳さ・・・ッ」
目を逸らそうとすると強引に視線を取られる。
恐怖に堕ちようとすると名前を呼ばれる。
名前を呼べと言われて、呼んで・・・
「・・・ぁッ・・ダメッ---ぁあッ!!」
そして・・・・・
辰「透----イって・・・・」
「---んッ---------ッッ!!」
なんと
イかされてしまった。
「はぁっ---は・・・ぁ・・・・ッ・・?」
有り得ない・・・