秘密

秘密—–12 GAME

(や・・・・・ば-----っ!)

 

夢中で貪ってしまった。
吐精感に襲われハッとして動きを止める。

 

「ご、ごめん透ちゃん。・・・痛くない?ていうか・・・俺のこと分かる?」

 

彼女を見ると顔を背けてぎゅっと目を閉じている。
涙で濡れた頬に触れるとビクッと体が揺れた。

まずい・・・
まさかパニックか?

生理的なものなのかやっぱり怖かったのか分からないけど、次々と溢れてくる涙を指で掬った。

 

透「・・ッぅ・・・辰巳・・さん・・・ッ」
「------!」

 

名前を呼ばれてホッとした。
どうやらパニックじゃないみたいだ。

 

「ごめんね?痛くない?」
透「・・・ッ・・痛く・・・ない--」

 

良かったと思って髪を撫でると、くすぐったかったのか逃れるように肩を竦める。

 

(--------!)

 

そして虚ろに開かれる黒い目。

朦朧としてるのは間違いない。
だがさっきと同じ目で見つめ返してくる。

 

やっぱりダメだ。

 

この目は・・・・・

 

俺を煽る。

 

---快感に堕としてしまいたい
---俺を・・・求めさせたい

 

そう思わされる。

 

(どうかしてる・・・・・)

 

心を奪われることは有り得ない。

だがゲームのターゲットに
こんな感情を持ったのは初めてだ。

 

透「ぃやッ---ぁっ!」
「嫌なのか?」

 

繋がったままのモノをグッと突き刺す。
透ちゃんは息を呑んで体を跳ねさせた。

 

「ねぇ透ちゃん。俺のこと、好きになって?」

 

その時お前は・・・
どんな顔をする?

 

透「それは----っん!」

 

最後まで聞かず、唇を塞いだ。

今はまだ、無理と言われるんだろうし。
無理だと言われたくもなかったから。

 

透「んっ--んッんぅ--ッ!」

 

唇を重ねたまま律動を再開させる。

膝裏に手を入れ足を大きく開かせ、奥まで入り込む。
快楽から逃れようと逃げる腰を力任せに引き寄せて、更に奥を突いた。

 

透「んぅッ---ぁっ!あ・・・ぃやぁッ!」
「名前・・・呼んで?」
透「--ぅッ・・・あ・・辰----ぁッ!」

 

深く入ると恐怖感が増すのか、名前を呼ばせる回数が増える。

 

透「ゃめ---ッ!嫌ぁッ!」
「透。」
透「嫌だッ---イきたく・・・ないッ!」
「---------?」

 

(イきたくない・・・・?)

 

肩に置かれた手に力が篭る。
涙がポロポロと溢れて流れていく。
規則的に俺を締め付けてくる内部。

絶頂が近い。

 

「透、俺を呼べ。」
透「ぁッ---辰巳・・さんッ・・ゃめてッ!」

 

(無茶・・・言うな・・・・)

 

俺だってそろそろ・・・
やばい------

 

透「お願いッ--ぃやだっ・・・ゃぁッ・・!」
「透・・・イけ・・・」
透「・・・ぃゃッ!ぁッ--------ッッ!!」
「------ッ!」

 

中が激しくうねる。
早く吐き出せ---と搾り取るように。

それに促されて俺も欲を吐き出した。

何故かいつもより吐精感が長い。

 

「・・・・・チッ」

 

我慢できなかった。
しばらくヤってなかったし焦らされたってのもある。

だが相手に引きずられるのは好きじゃない。
まぁ我慢出来なかった俺が悪いんだけど。

 

透「---ぅ・・・ッ・・・」

 

俺の下でぐったり横たわる透ちゃん。
どうやら意識を飛ばしてしまったらしい。

 

「無理・・・・させちゃったな・・・」

 

顔に掛かった髪を掬い、乾いてない涙を拭いてやる。
頬、瞼、唇・・・触れても全然反応しない。
完璧に飛んでる。

 

「・・・ほんと・・・変なヤツ。」

 

思わず口から飛び出した。

 

透「---ゃ・・ッ・・ろ----」
「お、起きてたのっ?」

 

変なヤツ・・・
に対して文句を言われたかと思った。

一瞬殴られるのを覚悟する。

 

 

透「--も・・ッ・・やめッ・・・・ ----しの・・・・ぶ・・・・」

 

 

せっかく拭いた頬に
新しい涙が伝う。

 

「さっきも呼んだな・・・・そいつ。」

 

ニュアンス的に・・・
「好きな男」って感じじゃないよな。

じゃぁ---

 

「誰だよ・・・しのぶって。」

 

返事はもちろん

 

返ってこなかった。