(や・・・・・ば-----っ!)
夢中で貪ってしまった。
吐精感に襲われハッとして動きを止める。
「ご、ごめん透ちゃん。・・・痛くない?ていうか・・・俺のこと分かる?」
彼女を見ると顔を背けてぎゅっと目を閉じている。
涙で濡れた頬に触れるとビクッと体が揺れた。
まずい・・・
まさかパニックか?
生理的なものなのかやっぱり怖かったのか分からないけど、次々と溢れてくる涙を指で掬った。
透「・・ッぅ・・・辰巳・・さん・・・ッ」
「------!」
名前を呼ばれてホッとした。
どうやらパニックじゃないみたいだ。
「ごめんね?痛くない?」
透「・・・ッ・・痛く・・・ない--」
良かったと思って髪を撫でると、くすぐったかったのか逃れるように肩を竦める。
(--------!)
そして虚ろに開かれる黒い目。
朦朧としてるのは間違いない。
だがさっきと同じ目で見つめ返してくる。
やっぱりダメだ。
この目は・・・・・
俺を煽る。
---快感に堕としてしまいたい
---俺を・・・求めさせたい
そう思わされる。
(どうかしてる・・・・・)
心を奪われることは有り得ない。
だがゲームのターゲットに
こんな感情を持ったのは初めてだ。
透「ぃやッ---ぁっ!」
「嫌なのか?」
繋がったままのモノをグッと突き刺す。
透ちゃんは息を呑んで体を跳ねさせた。
「ねぇ透ちゃん。俺のこと、好きになって?」
その時お前は・・・
どんな顔をする?
透「それは----っん!」
最後まで聞かず、唇を塞いだ。
今はまだ、無理と言われるんだろうし。
無理だと言われたくもなかったから。
透「んっ--んッんぅ--ッ!」
唇を重ねたまま律動を再開させる。
膝裏に手を入れ足を大きく開かせ、奥まで入り込む。
快楽から逃れようと逃げる腰を力任せに引き寄せて、更に奥を突いた。
透「んぅッ---ぁっ!あ・・・ぃやぁッ!」
「名前・・・呼んで?」
透「--ぅッ・・・あ・・辰----ぁッ!」
深く入ると恐怖感が増すのか、名前を呼ばせる回数が増える。
透「ゃめ---ッ!嫌ぁッ!」
「透。」
透「嫌だッ---イきたく・・・ないッ!」
「---------?」
(イきたくない・・・・?)
肩に置かれた手に力が篭る。
涙がポロポロと溢れて流れていく。
規則的に俺を締め付けてくる内部。
絶頂が近い。
「透、俺を呼べ。」
透「ぁッ---辰巳・・さんッ・・ゃめてッ!」
(無茶・・・言うな・・・・)
俺だってそろそろ・・・
やばい------
透「お願いッ--ぃやだっ・・・ゃぁッ・・!」
「透・・・イけ・・・」
透「・・・ぃゃッ!ぁッ--------ッッ!!」
「------ッ!」
中が激しくうねる。
早く吐き出せ---と搾り取るように。
それに促されて俺も欲を吐き出した。
何故かいつもより吐精感が長い。
「・・・・・チッ」
我慢できなかった。
しばらくヤってなかったし焦らされたってのもある。
だが相手に引きずられるのは好きじゃない。
まぁ我慢出来なかった俺が悪いんだけど。
透「---ぅ・・・ッ・・・」
俺の下でぐったり横たわる透ちゃん。
どうやら意識を飛ばしてしまったらしい。
「無理・・・・させちゃったな・・・」
顔に掛かった髪を掬い、乾いてない涙を拭いてやる。
頬、瞼、唇・・・触れても全然反応しない。
完璧に飛んでる。
「・・・ほんと・・・変なヤツ。」
思わず口から飛び出した。
透「---ゃ・・ッ・・ろ----」
「お、起きてたのっ?」
変なヤツ・・・
に対して文句を言われたかと思った。
一瞬殴られるのを覚悟する。
透「--も・・ッ・・やめッ・・・・ ----しの・・・・ぶ・・・・」
せっかく拭いた頬に
新しい涙が伝う。
「さっきも呼んだな・・・・そいつ。」
ニュアンス的に・・・
「好きな男」って感じじゃないよな。
じゃぁ---
「誰だよ・・・しのぶって。」
返事はもちろん
返ってこなかった。