秘密

秘密—–11 GAME

「透・・・力抜いて・・・」
透「ゃあッ---やめッ--!!」

 

なかなか抵抗を緩めない彼女。
固く目を瞑り、力の入らない手で俺の肩を押し返す。

ゆっくりと、でも確実に深くなっていく結合部も締め付けが激しくなっていく。

 

「透、目ェ開けて。俺を見て?」
透「--っ・・・・ぅッ・・・ンッ・・・・」

 

やっぱり素直に言うことを聞いてくれる。

恐る恐る開かれた瞳は潤んでいて、かなり扇情的だ。
強引に貫きたくなる衝動が込み上がってくる。

だが

 

「名前呼んで?」
透「・・・ッ・・辰巳・・・さんっ・・・」
「そう、俺だよ?だから安心して?俺を受け入れて・・・・」
透「・・・んッ・・・・・・・」

 

無理矢理しといて安心して?
良く言ったモンだよ。
我ながら酷い男だ。

でも無理。
止める気なんて更々無い。

一気に押し進めたい欲望を気合で押さえつける。

肩を押し返す手を優しく包み、細い指にキスを落とす。
そして指を髪に絡ませながら頭を撫でる。

しばらくすると透ちゃんの体の強張りが解けてきた。

 

透「ぁッ!」
「------っ!」

 

その隙に少し押し進むとすぐに力が入る。
突然の締め付けに俺のが驚いた。

 

「透、ほら、こっち見て。」
透「・・・もう---無理・・ゃめ---」

 

目には今にも零れそうなくらいたっぷり涙を溜めている。
そして少し紅潮した悩ましげな顔で俺を見つめる。

 

(お、おいおい・・・・)

 

君って・・・本当に透ちゃん?
あまりにも普段と違いすぎて・・・

ていうかすごく可愛いんですけど。

ずっと見ていたい・・・

と思うけど、今はこの辛い状況から解放されたいってのが先決。

 

透「んっ!」

 

唇に食らいついた。
唇を割り、逃げる舌を絡み取る。

 

透「んっ・・・ん--ぁっ・・・・」

 

そういえばキスに感じる子だったな。

しばらく口内を味わっていると透ちゃんの体からどんどん力が抜けていく。
強張りも無くなって---

 

 

透「んッ!?んんぅーーーッッ!!」

 

 

唇を塞いだまま・・・
力が抜けた隙に一気に押し進んだ。

 

透「んぁっ・・・ぁッ---はッ・・・」

 

唇を解放する。
少し体を起こして彼女を見ると、虚ろに開いた目で俺を見つめる透ちゃん。

 

そして目を合わせたまま

 

ポロっと涙を流した。

 

ゾクッとした。

それに反応して質量を増したソレ。
透ちゃんの腰がビクッと揺れる。

 

「名前、呼んで。」
透「た・・ッ辰巳・・・さ---ッ・・」
「透、俺が怖い?」
透「・・・ッ・・・ッ----」

 

呼吸を整えようと浅く息を吐く。

頭の中は多分とんでもないことになってるんだろうけど・・・
俺の問いかけに小さく首を横に振ってくれた。

 

「じゃぁ俺が入ってるの・・・分かる?」
透「---ッ・・分か・・・るッ・・」
「透を抱いてるのは?」
透「んッ・・辰巳さ・・・ッ・・」

 

小さい子供に教え込むように何度も名前を呼ばせる。
また違う男と重ねられるのはゴメンだからね。

それに・・・
名前を呼ばれるのが少し心地いいと思ってしまっている。

「動くよ?」
透「ぇッ!だ・・だめだ!ゃめ---」
「透、俺を見てて。目ェつむるなよ?」
透「待っ----ッぁ!あぁ--ぅっ!!」

 

ギリギリまで引き抜く。
そして一気に奥を突いた。

引き抜いたところで透ちゃんの背中は仰け反り、目を閉じてしまったけど。

 

透「あっ--ぁッ---ぁ・・んッ!」

 

律動に合わせて漏れる甘い嬌声。

さ迷っていた左手がベッドのシーツをキュッと掴む。
右手は行き着く場所が無かったのか、甲で唇を隠す。

 

透「ぁッ・・あッ・・辰---巳・・さン---」

「----ッ!」

 

(ちょ・・・ちょっと・・・)

 

ダメダメ。
要求してないのに名前呼ぶのは反則でしょ。
ちょっといい気分になっちゃったじゃないか。

ていうか透ちゃんて天然ツンデレ?
通常時と現在のギャップが激しすぎる。

 

透「ぁッ・・・あっぁ----」
「------ッ・・・」

 

それにしても・・・
透ちゃんの中ってすっげぇ気持ちいい。
軽く持っていかれそうになる・・・

 

透「ッ・・・んっ・・・ん・・ッ---」
「・・・・・・!」

 

少し余裕が出来たのか、閉じられていた目が薄く開く。
そして艶かしい表情で俺の目を見つめてきた。

少し茶色がかった黒い瞳。

快楽に揺れているのに・・・
堕ちないよう必死で抗っているような・・・

吸い込まれそうだ---

 

透「ぁッ!あっ・・・あぁっ!!」

 

(なんか・・・・ヤバイ。)

 

「何か」を大きく刺激された。

出来ればずっと目を見ていたかったけど、衝動に突き動かされて激しく奥を突き上げる。
悩ましげな瞳はすぐに閉じられた。

 

透「ぁッあっ!---ッ・・・ゃぁッ!!」

 

大きな反応を示す部分を執拗に突く。
激しく締め付けて抵抗する内部を強引に蹂躙して、強制的に快感を与える。

これじゃ怖がらせてしまう---

分かってる。
けどとまらない。

とめられない---

 

「透・・・・」

 

細い体を抱きしめ、耳元で名前を呼んだ。

 

返事は、返ってこない。