透「はぁっ----はぁッ・・はッ・・・」
ぐったりとベッドに横たわり、胸を上下させて激しく呼吸を繰り返す。
彼女の中に埋めたままの指がキュッと締め付けられる。
「透、俺は誰?」
透「ぅッ・・・辰巳---さ・・・」
髪に指を絡ませて頭を撫でる。
薄く開く唇は小さく震えていて
少し潤んだ瞳はどこか遠くを見ている。
瞼に軽く口付けると肩をすくめて顔を逸らした。
「透、俺を見て。」
透「・・・・・・んッ・・」
「透に触ってるのは誰?」
透「・・・・・辰巳・・さん・・・」
「透は誰にイかされた?」
透「・・・・・・・・・・・・・・・・辰巳さ・・ん・・」
顔を紅く染めながらボソッと答えた。
どうやらちゃんと・・・
「俺」の指でイってくれたようだ。
日下透。
この女
どうも・・・・調子が狂う。
俺は今日、2回もショックを受けた。
ショックを与えたのはもちろん透ちゃん。
1つ目。
デートをすっぽかされた。
K社との合同企画に透ちゃんが関わっているのは少し前に知った。
なんてナイスなタイミングだと思った。
本当は担当じゃなかったけど無理矢理代わってもらった。
そしてデートする予定の今日。
敢えて打ち合わせを入れた。
この前、晋と玲と顔合わせした時なんかおかしいと思ってはいた。
ゲームの期間もルールもヤケにあっさり受け入れちゃったから。
まさかゲーム放棄するつもりなんじゃ・・・と思った。
試してみよう、と思った。
案の定、連絡無しでそのまま打ち合わせに現れた彼女。
つまりデートするつもりなんて更々無かったってことだろ。
デートをすっぽかしたことはあるけどすっぽかされたことなんて無い。
人生初だ。
ゲームと言えどもめちゃくちゃショック。
リアルに心が折れた。
今日は絶対許さんと決意した。
打ち合わせの最中、どうやってお仕置きしてやるかばかり考えてた。
そして2つ目。
初日の透ちゃんは・・・
俺じゃない誰かにイかされていた。
初めて会ったあの日、薬に朦朧とする透ちゃんに煽られるまま襲い掛かったわけですが。
最後の方は俺に感じてくれているもんだと思ってたわけよ。
可愛い顔して俺を見つめて。
あれだけ鳴かせてイかせて・・・だったのに。
そういえば目覚めた時「なんで辰巳さん?」みたいなことを言っていた。
思い出してみろ。
さっきも同じ感じだっただろ。
「た、辰巳さん?」って言ってた!
つまり、あの時の透ちゃんは俺じゃない誰かに感じてて、俺じゃない誰かにイかされてた。
ゲームに参加する代わりに(今日は)最後までヤらない・・・なんて生き地獄を気合で耐え抜いたのに。
あの時透ちゃんの目に映ってたのは俺じゃない他の誰かだった。
もう・・・めちゃくちゃショック。
デートはすっぽかされるしエッチの最中に他の男と自分を重ねられるし・・・
女の子にここまでスルーされたのは初めて。
---なんなんだよこの女。
とは思わなかった。
むしろ・・・捕まえて、拘束して。
俺をちゃんと見ろよ・・・
そう思った。
それと、嫌でも気付かされたことがある。
どうやらこの子は・・・
快感を与えられることに恐怖を感じている。
初めて会った時なかなか薬に落ちなかったし「体奪ったくらいで---」とワケの分からんことも言っていた。
それにさっきのあの様子・・・
なんらかのトラウマを抱えていると思われる。
---消してやりたい。
言っとくけど親切心じゃない。
どんなトラウマなのか知らないけど、俺が与える快感に恐怖を感じなくなったらこいつは俺に落ちるんじゃないか・・・
そうなれば俺はゲームに勝利する。
消してやりたいってのはそういう意図ね。
守ってあげたいとかそういう感情じゃない。
とにかく
一筋縄じゃいかない透ちゃんに対しての攻略法がちょっとだけ見えたような気がした。
まぁ、さっきの様子から考えると透ちゃんのトラウマって結構重いモノなのかもしれないから。
出来ればゆっくり消してあげたいと思う。
「なぁ透・・・気持ち良かった?」
透「んッ----!」
ゆっくり消してあげたいんだけど・・・・
今日は・・・勘弁して。
透「ゃ---ッ・・・待っ--て!」
「ダメ、待てない。」
初日に焦らされた上に今日なんかショック爆弾を投下されて
俺のコレはもう・・・
爆発寸前なんだよ。
透「ぁ---ぅッ--んっ!」
痙攣の治まらない中をグルリと掻き混ぜる。
そして透ちゃんの感じるとこ・・・
透「ぁッ--あっ!」
「気持ちいい?」
内壁を擦ると甘い声が漏れる。
普段があんなだからな。
女として乱れる透ちゃんはかなり魅惑的だ。
そそられる。
「名前呼んで?」
透「・・・辰巳・・・さんッ---ダメ・・っ!」
快感に頭が朦朧としてるのか。
普段の彼女からは考えられないくらい素直に言うことを聞いてくれる。
かなり・・・可愛いと思う。
透「んッ--!---ッ--------ッッ!」
イイ部分をスピードを上げて擦るとあっけなく絶頂を迎える。
ヒクヒクと痙攣する中。
少し指を折り曲げるとビクッと体が跳ねた。
「透、俺を呼べ。」
透「ハッ・・・ッ・・たつ・・・み・・・さッ・・」
無意識に口端が上がる。
---俺に感じてる。
その事実に満足感を覚えた。
透「------んぅっ!」
濡れきった指を引き抜く。
口に含むと透ちゃんの味。
やっぱりこいつって・・・なんとなく甘い。
透「ん・・・ッ・・辰巳---さん?」
シャツのボタンを片手で外し、ベルトも緩めて服を脱ぐ。
絶頂の余韻に浸っているのか。
トロンとした表情でその様子を見つめてる。
透「ぇッ・・・え---ちょっと--!」
今日はたっぷり苛めて、鳴かせて・・・
求めるまでお仕置きしようと思ってたんだけど。
まぁ「お仕置きは我慢する」と言ってしまったしコレも我慢の限界なので・・・
枕元にある引き出しからゴムを取り出す。
パッケージを口で開けると透ちゃんの虚ろな目に焦りが浮かんだ。
透「ま---待っ・・・てッ・・・!」
「無茶言うな。」
イったばかりで辛いくせに、スローモーションで起き上がりベッドから降りようとする。
逃げられて堪るか。
俺はもう・・・・限界なんだよ。
手早くゴムを装着させて肩を押さえつけた。
ついでに役に立たなくなった透ちゃんの下着も奪い取った。
透「たた辰巳さんっ!」
「そう、俺は辰巳。」
透「まま待ってください!」
「やめてあげられないって言っただろ。もう無理。透ちゃんに入れたくて堪んない。」
透「そ・・・それだけは---ぁッ--!!」
---クチュクチュッ・・
言葉を途中で遮った。
濡れた割れ目にモノを当て、何度か上下に往復させる。
そして入り口に宛がった。
透「お願いッ・・・待っ---」
「だから・・・それは無理。」
透「--------ぁっ!!」
体を捩じらせて逃げようとするんで。
腰を引き寄せて動きを封じた---
「ごめんね。もう待てな------ッ!」
思わず
息を呑んだ。
透「頼むから・・・・ゃめてッ・・・」
小さく震える手が肩に触れる。
そして透ちゃんの目に・・・
涙が溜まっていく。
「・・・・・・なんで?」
なんとなくだけど・・・
理由を聞いてみたくなった。
「透・・・・?」
透「・・---しく・・なる---」
「ん・・・?」
透「これ以上感じたら・・・ ------おかしく・・・なる・・」
「-------!」
俺は・・・やはり狂ってる。
涙を浮かべて訴えるその姿を見て
背中に強烈な快感が走った。
そして
---こいつが欲しい。
そう思った。
「透・・・・・俺に狂え。」
今は・・・
俺だけに・・・
透「あぁッ!ゃッ--あぁぁッ!!」
侵入を防ごうときつく締まる透の中に
抵抗を捩じ伏せ、ゆっくりと押し入った。