(なに、やってんだ・・・?)
どうやら孝も見えたらしい。
奴と同時に急いで階段へ向かう。
電気はまだつかねぇのかよ。
ライターだけじゃ周りが全然見えねぇ。
孝「有希・・・どうした?」
孝と二人、なんとか階段に到着。
有希に近づくとやはり小さくなってうずくまってた。
階段から落ちたわけじゃなさそうだが・・・
一体どうしたってんだ?
孝と顔を見合わせ、有希の前に座る。
「有希、返事しろ。」
呼びかけてみる。
だが、なぜか反応がない。
純「どうした?」
累「見つかったのか?」
2人が近づいてきた。
純が持つ火が増えると大分明るくなった。
これで様子を確認でき
(え・・・・・・?)
弱々しい光に照らされた有希は明らかに様子がおかしかった。
両手を固く握り締め
その手で両耳を塞いで俯いている。
そして
(震えてる・・・・・?)
こんなに暗くちゃはっきり分からない。
だが・・・
震えてるのは間違いない。
孝「おい、なんか変じゃねぇか?」
「・・・あぁ。」
変だ。
おかしすぎる。
なんだかんだ言って雷が怖かったのか?
・・・いや、それはない。
さっきのでかいヤツに驚いてもなかった。
じゃあ何があったんだ?
(まさか・・・)
・・・停電のせい?
「有希・・・?」
とにかく、このままじゃ埒が明かない。
とりあえず顔を見せろと右手を軽く掴んだ。
その瞬間--
「---っいやぁぁぁっ!!!」
「「「 !? 」」」
思い切り体をビクつかせ
逃げるように俺の手を振り払った
(・・・なんだよ、今の・・)
あまりにも予想外の反応に情けなく放心状態。
振り払われた手の痛みだけがジンジンと広がっていく。
(有希・・・?)
無理矢理顔を上げさせることも出来る
強引に手を引き寄せることも出来る
だが、それをやったらいけない
そう思わせる程に
---何かに怯えてる?