SAKURA∞SAKU first

異常—–2 SAKURA∞SAKU first

(なに、やってんだ・・・?)

どうやら孝も見えたらしい。
奴と同時に急いで階段へ向かう。

電気はまだつかねぇのかよ。
ライターだけじゃ周りが全然見えねぇ。

孝「有希・・・どうした?」

 

孝と二人、なんとか階段に到着。

有希に近づくとやはり小さくなってうずくまってた。

階段から落ちたわけじゃなさそうだが・・・
一体どうしたってんだ?

孝と顔を見合わせ、有希の前に座る。

 

「有希、返事しろ。」

 

呼びかけてみる。
だが、なぜか反応がない。

 

純「どうした?」
累「見つかったのか?」

 

2人が近づいてきた。
純が持つ火が増えると大分明るくなった。

これで様子を確認でき

 

(え・・・・・・?)

 

弱々しい光に照らされた有希は明らかに様子がおかしかった。

両手を固く握り締め
その手で両耳を塞いで俯いている。

そして

 

(震えてる・・・・・?)

 

こんなに暗くちゃはっきり分からない。

だが・・・
震えてるのは間違いない。

 

孝「おい、なんか変じゃねぇか?」
「・・・あぁ。」

 

変だ。
おかしすぎる。

なんだかんだ言って雷が怖かったのか?

・・・いや、それはない。
さっきのでかいヤツに驚いてもなかった。

じゃあ何があったんだ?

 

(まさか・・・)

 

・・・停電のせい?

 

「有希・・・?」

 

とにかく、このままじゃ埒が明かない。
とりあえず顔を見せろと右手を軽く掴んだ。

その瞬間--

 

「---っいやぁぁぁっ!!!」

「「「 !? 」」」

 

思い切り体をビクつかせ
逃げるように俺の手を振り払った

 

(・・・なんだよ、今の・・)

 

あまりにも予想外の反応に情けなく放心状態。
振り払われた手の痛みだけがジンジンと広がっていく。

 

(有希・・・?)

 

無理矢理顔を上げさせることも出来る
強引に手を引き寄せることも出来る

 

だが、それをやったらいけない

 

そう思わせる程に

 

---何かに怯えてる?