要「え、それは遼のおかげでしょ。」
孝「だろ?」
俺もそう思う。
純「その通りだよね。ずっと姫を守ってきたんだから。傷が治ってきてるとしたらそれは遼のおかげだよ。」
孝「俺もそう思う。で、あいつにそれを言ったら・・・」
え、なに、どうしたの。
何を思い出したのか孝が可笑しそうにクツクツ笑い出した。
孝「・・・ツンデレさんですか?だってよ。」
えー・・・
要「ツ、ツンデレ?」
「遼・・・」
真「・・・なんだそれは。同い年の割りに変なヤツだと思ってたが・・・やはりあいつもバカなんだな。」
純「"も"って・・・誰と一緒にしてんの?」
真樹がじっと見るもんで要が怒った。
でも安心しなよ要。
俺から見ればみーんなおバカだ。
純「そういえば遼って、姫に似てると思わない。一緒に話してると時々感じるんだけど。」
「あーそれ、俺も思ったことある。」
真「ガキっぽいとこか?バカっぽいとこか?」
要「うーん、どっちも?」
孝「違いねぇ。」
おいおい・・・
お前ら言いたい放題だな。
(良かった・・・)
重かった空気が少しずつ回復していく。
きっと皆分かってるんだ。
俺達が悩んでも仕方ないって。
なぜなら有希か遼が話さない限り
俺達はさっきの「原因」を知ることはないから。
だけどもう・・・原因なんて関係ない。
---あんな涙は見たくない
他の奴らがどう思ってるかは分からないけど俺にとっては十分な理由。
もしまた同じ事が起こったとしたら
その時は俺が有希を守ればいい。
--俺の傍にいれば安心できる
そう思ってもらえるように頑張るまでだ。
真「そうだ。酒、まだあったか?」
「大丈夫。さっき有希と補充買出しに行ったから。」
要「ちゃっかりしてるなぁ。」
純「お酒管理は姫の特技だからね。」
孝「言えてる。」
「み、皆・・・」
「「「 !! 」」」
急にかけられた声。
俺達は首がぶっ飛ぶ勢いで振り返った。