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透「いやぁ、それにしても今日のハンバーグは美味しかった!」

 

あまりにも寒かったので車に戻った。

現在、透の家に向かって走行中。

 

透「本当にありがとな!」
「別に。」
透「今度はさ、私が美味しいトコに連れてってやるよ。」
「は?」
透「え、嫌か?」
「・・・別に嫌じゃない。」
透「そっか。じゃぁ楽しみにしててくれよ。」
「・・・分かった。」

 

やはりこの女・・・
俺のことをオトモダチと思ってるのではないかと思う。

いや、絶対思ってる。

 

『狙ってる子がいるんすけど。どうも自分・・・男と思われて無いんですよねぇ・・・どうすればいいっすか?』

 

連れにこんな相談を受けたことがある。
あの時は何のことだかさっぱり分からなかったが今なら良く分かる。

---どうすればいい?

そんなの分かるわけが無い。
そもそもなんで男と思われて無いかが良く分からない。

 

透「あ、ちょっとごめん。電話とっていいか?」
「あぁ。」

 

自分のことを男だと思っていない女を落とすにはどうすればいいんだ?
実は俺、男なんだとか説明しないといけないのか?

・・・・・バカバカしい。

 

 

透「あ、直樹?」

 

 

(・・・・・・・・・ナオキ?)

 

チラッと透を見ると、左手に携帯を持ちニコニコしながら喋っている。

 

透「さっきはごめんな。うん、うん----そうか。分かった、明日持っていくよ。」
「・・・・・・・・・・・・・。」

 

なぜだか良く分からない。
分からないんだが・・・

 

無性に----腹が立つ。

 

なぜだ。

 

透「あぁ、大丈夫だぞ。え?違う違う。晋ちゃ---晋は友達だ。」

 

 

---ドクンッ

 

 

心臓じゃない。

 

体の奥で、何かが大きく鳴った。

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

なんだこれは。
なんでこんなに・・・・

 

腹が立つ?

 

透「今帰ってるとこだぞ。飲み?今日はいいや。明日の準備もあるから----っ!?」

 

体が勝手に動いてた。

 

透「-----ん---んっ!?」

 

車を路肩に停めた。

そして携帯を持つ透の手首を背もたれに押し付け

 

無防備な唇に・・・

 

キスをした。

 

透「んっ---んんー!」
『透さん!?どうしたんですか!?』
「・・・・・・・・・。」

 

携帯から聞こえる男の声。

これも・・・
ムカつく。

 

『透さ---』

 

PI・・・

 

通話を切ってやった。

 

透「ちょ---っん・・・・晋っ!」
「黙ってろよ。」
透「------んぅっ!」

 

顔を逸らそうと頑張るもんで、頭を抑えて上を向かせた。

唇を舐めたり軽く噛んでみたり。
こいつの唇って思ったより感触がいい。

 

透「やめ---ッ!」
「逃げるな・・・」
透「ぁッ・・・!」

 

唇を割って舌を差し込む。

あくまで抵抗するつもりなのか必死で逃げ惑う舌。
無理矢理絡みとって、吸い付いてやった。

 

---ムカつく。

 

そう。
この感情はそれだ。

男として見られてないことも。
男からの電話を取られたことも。
友達だと言われたことも。

 

透「んっ、ぁ---し・・・んッ!」
「・・・・・・・・・・・。」

 

感じてるはずなのに
力なんて抜け切ってるのに

それなのに抵抗を止めないその態度も・・・

 

全部がムカつく。

 

(なんなんだよ------)

 

なぜか揺さぶられる。
躍起になってしまう。

 

透「---っはぁ!」
「・・・強情な奴だな。大人しく食われてろよ。」

 

少し力が緩んだ隙に逃げられた。
手を伸ばすと思い切り顔を逸らす。

 

透「ちょっと-----待て!」
「なんだ。」

 

今のじゃ全然足りない。

それに、濡れた唇がヤケにエロい。

そそられる・・・
いやそそられた。

 

透「おおお前っ!さっきの話・・・ちゃんと聞いてたか!?」
「聞いてた。」
透「ウソだ!全然聞いてなかっただろ!長々と話したってのに!!」
「だから聞いてた。」
透「じゃぁ離れろ!そして簡単にキスなんかするな!」
「それは無理だ。」

 

やっぱ聞いてなかったんじゃないか!

至近距離で叫ばれた。
どうにもこいつ・・・発狂癖があるようだ。

それより

 

「お前のこと、気に入った。」
透「は!?」

 

ムカつく・・・とも思う。

だが短い時間でこれだけ興味をくすぐられた女は今までいなかった。
そして・・・感情を揺さぶった女も。

 

「まぁ・・・今日は見逃してやる。」
透「なにを。」
「だが次に会った時は抱く。」
透「・・・・・・・・・・晋ちゃん。お前は本当に人の話を聞かない人だね。」
「いいな?」
透「それとも聞こえなかったのかな。医者の友達に検査してもらった方がいいかもしれないぞ。」
「今週末は空けとけ。そうだな、金曜がいい。」
透「だから聞け!!」
「うるせぇな。」

 

喚く透を強引に引き寄せ、軽く唇を重ねた。
重なる寸前まで「ひぃぃーー!」と叫ばれたのは無視しようと思う。

 

透「はぁぁ・・・・もうどうしよう。」
「どうしようもないだろ。」
透「お前が言うな!ていうか・・・お前なんか絶交だ!せっかく友達になれたと思ったのに!」
「俺は友達じゃねぇ。男だ。」
透「あぁぁくそっ・・・・!!」

 

とりあえずこの女。

 

なぜか気になる。

 

 

 

 

 

・・・・・Game・気に入った(完)