SAKURA∞SAKU first

好きの定義—–6 SAKURA∞SAKU first

「血?そういえば口の中切れてんな。」
要「口の中も切れてんの!?」
「ん?」

 

どうやら頬に傷があるらしい。
引っぱたかれた痕がジンジンするため分からなかった。

 

「大したこと無いだろ?何もしなくても平気だ。」
要「バカ言うな。痕が残ったらどうすんだよ。」
「別に大丈夫だってのに・・・」

 

手を掴まれてイスに座らせられた。

小さな救急箱を持って要が前に膝をついて屈みこむ。
消毒液をあてたら少しだけ沁みた。

 

要「痛くねぇ?」
「平気。」
要「・・・そっか。」

 

(・・・・・・・・・・・。)

 

要「・・・・・何?」

 

顔を手当てしてもらってるんで・・・
自然、奴の顔が近くで見えるわけですが

じーっと見てたらその・・
なんていうか・・・

 

「お前・・・やっぱあの子が好きなんじゃねぇの?今からでも追っかけろよ。」
要「は?なんでだよ。」
「だってお前・・・すっげぇ悲しそうな顔してる。」

 

落ち込んでるっていうかなんていうか・・・
そんな顔見せられたらこっちまで辛くなっちまうだろ。

 

要「悲しそうな顔?俺が?」
「遊びの女って言ってたけど・・・気付かないうちに好きになっちゃってたんじゃねぇの?」
要「・・・・・。」

 

返事なし。
顎に手を当て何かを考えている様子。

 

(もしかして・・・)

 

こいつ・・・
自分の気持ちに気付けない超おニブさんなのかもしれねぇ。

しっかりしろよ。
そんなんじゃ幸せ逃げちゃうぞ。

 

「あの子が好きなんだろ?私はいいから早く行け--」
要「あいつはそういう対象じゃない。」
「・・・そ。」

 

珍しく真面目な声色。
これ以上追究するなってことだろうか。

まぁこういうのは人がとやかく言うことじゃないもんな。

でもこの顔は絶対さっきの子が好きだって顔だろ。
早く気付けよ変態要クン。

 

要「今さ・・・お前のこと考えてたんだよ。」

 

は?

 

要「俺、そんなに悲しい顔してた?」
「・・・何言ってんだお前は。」

 

ふざけるのも大概にしろ。
なんでそこに私が出てくるんだ。

 

要「とにかくごめんな・・・痛かっただろ?」
「気にすんな。慣れてる。」

 

・・・慣れてる、か。

確かに、ある意味慣れてるかもな。

 

要「慣れてるって・・・まさか俺達のせいで?」
「え、違う違う!ごめん、なんでもねェよ。」
要「・・・・・・。」

 

言葉には気をつけろよ私。

叩かれるのに慣れてる奴なんていないだろ。
今のは話の流れがおかしかった。
ほら、要の奴すっごい変な顔してやがる。

 

「サンキュ。」

 

消毒終了。
最後にぺタっと絆創膏を貼ってくれた。

 

要「・・・・本当に悪かった。」
「だから気にすんなって!ほらほら。さっさとパソコン直しちゃおうぜ!」
要「・・・あぁ。」

 

とりあえず、PC直そう。
未だに変な顔してる要を無視して具合を確かめる。

 

「うん、これならすぐ直るぞ。」
要「マジ?助かる。」
「よし、待ってろ。」

 

原因が分かり作業に移った。
案外簡単に済みそうだ。

 

 

 

「でもまさか・・・要が大学の助教授様だったとはねぇ。」

 

PCを扱うこと10分。

気まずい雰囲気をどうにかしようと頑張ったところ新事実が発覚。

なんと、要は助教授様だった。

どうやら馬鹿じゃなかったらしい。
残された希望の星は真樹のみとなった。

 

要「ビックリした?」
「あぁ、かなりね。そういや真樹は?あいつもT大?」
要「あぁ。」
「・・・あっそ。」

 

見事に期待を裏切りました真樹。

ていうかこいつらエリート集団だったんだな。

日頃の不可思議な言動や行動は頭が良すぎる故の反動だったのか。
可愛そうな奴らだ。

 

「じゃぁお前らが一緒に住んでるのって大学繋がりってわけ?」
要「うーん、それはなんでだろうな。良く分かんねぇ。」
「あ、やっぱり?」
要「は?」
「いえいえ、なんでもないっす。」

 

やっぱりそこら辺はおバカらしい。

何も考えてないっていうか・・・
適当すぎるにも程があるだろ。

ま、人のことは言えないが。

 

「それにしても・・・適当に集まった割にはすごい5人が集まっちゃったもんだな。」
要「どういう意味だよ。」
「5人ともモテモテだけど変人だし。純君は違うけどセクハラばっかするし。」
要「・・・・・・・。」
「おまけにお前ら揃って一人の女を好きになれないんだろ?」
要「・・・・・・・。」
「こんなめちゃくちゃ集団、すごいと言わずなんて言うんだ。」
要「・・・・・・・。」

 

(あれ・・・)

 

言い過ぎたか?

 

要は2、3回目を瞬かせ

 

思い切りだんまりを決め込んだ。