名付けるとすれば

名づけるとすればーーー3 SAKURA∞SAKU first

有「それで・・・・理由を説明しろ。」

 

話題が変わった。

そうだ。
危うく今日の目的を忘れるところだった。

 

「今から病院の集まりがある。」
有「集まり?」

 

とりあえず、簡単にパーティーの説明をした。

 

有「い、意味分かんねぇ。それでなんで私もおめかししてんだよ。」
「院長のヤツにいい加減ちゃんとしたパートナー連れて来いって言われてんだ。」
有「ふーん・・・って、えぇっ!?」
「?」
有「おまっ---それって私を連れてくのは間違ってるじゃねぇか!」
「いや。間違ってない。」
有「お、おいおい・・・」

 

いずれ俺の女になるんだ。
間違いではないだろう。

 

有「お前、人選ミスしてるぞ。」
「してねぇよ。」
有「・・・・・。」

 

しつこい奴だな。

 

有「・・・仕方ねぇ。今日は貸しだからな。」
「何の貸しだ?」
有「てめぇの相手を務めてやるって言ってるんだ。」
「将来俺の相手になるんだ。貸しではないだろ?」
有「・・・・・・。」

 

急に吹っ切れたような顔になって何を言い出すかと思えば・・・

貸しってなんだ。
前にも言ったがお前は俺の女にする。
それなのに貸しも何もないだろう。
バカな奴め。

 

有「ふざけるのはやめろ。」
「俺は常に真面目だ。」
有「尚更悪いわ。とにかく・・・今日は偉い人とかも来るんだろ?」
「まぁ、来るんだろうな。」
有「だろうなって・・・・」
「そういうのにはあんまり興味がない。」
有「・・・そうなんすか。」

 

怒ったかと思えば何かを考え出した。

今日はいつもに増して表情が変わる。
百面相かお前は。

 

(いい加減黙---)

 

---いい加減黙ってろ。
そう言ってやろうと思ったんだが

そうだな、まぁ・・・

激しく失敬なことを考えているのは分かった。

 

有「よし、任せとけ孝。私がなんとかしてやる。」
「お前・・・とんでもなく失礼なこと考えてるだろうが。」
有「なんとでも言え。」

 

チッ・・・
相変わらず変な女。

 

有「で?私はどうすればいいんだ?」

 

どうするって・・・
何かやることがあるか?

 

「別に。普通にしてろ。」
有「普通でいいんですね。大人しくしていなくていいんですね。」
「普通で構わねぇよ。」

 

これだからお前は、なんて心の中で悪態ついてるのが聞こえてくるようだ。

ていうかなんだその目は。
何かしでかす気なのか?

有り得そうなところが怖い。

 

有「禁止事項とかあんだろ。」
「禁止事項?そうだなぁ。」

 

考えてみれば院長や同期から色々聞かれるだろうな。

こいつのことだ。
恋人ですか?なんて聞かれたら全力で否定するに違いない。

 

(まぁでも・・・)

 

いずれそういう関係になるんだ。
この機会に練習させておくのもいいかもな。

 

ちょうど考えがまとまったところで
タイミングよく赤信号に捕まった。