SAKURA∞SAKU first

ショッピング—–2 SAKURA∞SAKU first

今日は姫と買い物をした。
すっごく楽しかった。

 

本当は全部選んで全部買ってあげたかったのにそれはダメだって怒られた。
とっても残念。

でも俺好みの服をプレゼントすることにした。
今度これを着てもらって絶対デートしようと思う。

 

ちなみに今日、桜館住人達はみんな揃って早めに帰宅って言ってたんだけど
せっかくのデートだから2人きりで晩ご飯食べて帰ろうってことになった。

とっても嬉しい。

 

そういうわけで、たまに寄るイタリアンのお店に入った。

フロアもオシャレだけど個室も素敵なんだよね。
それになんといっても料理が美味しい。

 

有「おおー!美味しそうだなぁ。」
「ここのは一押しだよ。」
有「あれからいくか、それとも・・・」
「ちょっと待ってね。」
有「え!」

 

そんなにお腹が空いてたのか、目を輝かせて料理を見つめる姫。
年上なのにこういう一面ってすごく可愛いと思う。

 

有「あ、ありがとう。いただきます。」
「いっぱい食べなよ?」
有「・・・うん。」

 

取り分けてあげると遠慮がちにお皿を受け取った。
その仕草が子供みたいで思わず顔が緩んでしまった。

 

(・・・・・・・?)

 

しばらく料理を味わってると・・・

うーん

なんでだろう。
姫から視線を感じる。

 

「・・・どうしたの?」
有「むっ?むむ、む・・・」
「飲み込んでからでいいよ?」

 

気付いてないとでも思ったのかな。

ちょっぴり焦る姫。
ていうか"むむ・・・"って可愛いね。

 

有「い、いやぁ。純君って本当に優しい奴だなと思ってさ。うっかり見とれてしまいましたよ。」
「・・・なにそれ。」

 

優しい?俺が?
一体どこに優しさを感じたんだろう。

もしかして料理を取り分けたとこ?
それって当たり前じゃないの?

 

有「だって私みたいな女子にも優しいじゃん。よっぽどご両親の育て方が良かったのではないかと思いまして。」
「変な喋り方止めてよ。」
有「ごめんごめん。」
「まぁ・・・自分では優しくしてる自覚はないんだけど。小さい頃から女性には優しくしなさいって教えられたからかな。」
有「ふーん。」

 

あまりいい思いではないけど・・・
「女性には優しく」っていうのは刷り込みされてきたようなものだからね。

でも姫に誉められたのは嬉しい。
結果オーライってことでいいや。

 

有「でも女子としては嬉しいぞ?純君の両親は立派な方なんですな。」

 

"両親"・・・か。
まぁ、あんまりいい思いではないかな。

 

「そうでもないよ。俺、愛人の子だし。父親が女性に節操がなかっただけ。つまりは女ったらしだったんだよ。」

 

それはそれは自然に
ポロッと言葉が口から出てきた。

 

---愛人の子

実は・・・少々トラウマだったりするんだよね。
父親のおかげで子供なりに色々大変なこともあったから。

ていうかなんでこんなこと話しちゃってるんだよ俺は。

姫が話しやすいからか流れでつるっと口から出たけど・・・
せっかくのデートなのに同情とかされたら変な空気が流れちゃうじゃん。

 

有「そうなのか。複雑なんだな。」
「まぁね・・・」

 

あぁ姫・・・
お願いだから気にしないで。
いつもみたいに軽くスルーしてよ。

 

有「ま、複雑だろうがなんだろうが、こんなにいい子に育ててくれたんだ。仕方ねぇから私も純君のたらしパパに感謝してやる。」
純「・・・なにそれ。」

 

キュッと口角を上げて笑う姫。
本当に・・・なにそれ。

 

(・・・・・・ふふっ、笑える。)

 

たらしパパって・・・
まったくもってその通りだよ。

ていうか、女の子に笑い飛ばしてもらったのって初めてだ。
そういえば要もこんな感じだったような気がする。

 

(ふーん・・・)

 

なんだろうこの気持ち。

全然悪い気がしないっていうか
むしろ・・・気が楽になる。

 

(・・・変な人。)

 

本当は人に話せるようなことじゃないのに俺の口は勝手に動くし
同情されると思えば軽く明るい話題に変えられちゃったし

やっぱり好きだな、この人・・・

 

「ねぇ、姫。」
有「ん?」

 

 

「姫のこと、もっと好きになってもいい?」
有「------ぶッ!!?」

 

 

あ、良かった。
ご飯食べ終わってて。

 

有「な、なんだぁ!?」
「俺も男だからさ・・・」
有「う、うん?」
「姫のことこれ以上好きになったら、触れたいとかキスしたいとか・・・色々我慢できなくなると思うんだよね。」
有「・・・・え、えーと?」
「でも迷惑はかけたくないから。聞いておこうと思って。」

 

家庭環境も影響してると思うけど
俺は人に嫌な顔や悲しい顔をされるのがとっても嫌だ。

---せめて他人に迷惑をかけないように

そう思って人と付き合ってきた。
簡単に言えば薄っぺらい付き合いだ。

 

そういう付き合い方じゃ恋愛においては支障もあるけど

 

でも、そんな顔を見るくらいなら恋愛なんてしなくていい。

 

そう思う。