「刺激的な毎日って憧れるよねぇ!まるで映画のヒロインみたいな!」
いつだったか、職場の同僚Aが飲み会で騒いでた。
そんな妄想に同僚Bは
「きゃー!憧れるぅー!」と同調し
同僚Cは
「はいはーい!私っイケメン王子にさらわれたい!」
と希望した。
そして「彰は?」と聞かれた私は
「うーん、普通でいいかな。」
そう答えて
「「「えー!普通なんてつまんなーい!!」」」
と批難された。
そんなつまんない私、佐野彰(さのあきら)
おぎゃあとこの世に出てきた瞬間親が蒸発。
新しい親に出会う機会もなく中学卒業までボロい施設で育った。
高校卒業後は小さな保険会社に就職。
勤務態度、業績ともにレベル中。
出世には全く興味がない。
皆勤賞だけを目指して日々出勤している。
並べてみると本当につまらない毎日。
だがそれなりに楽しいことはある。
特に月に二、三度開催される女子会と称した飲み会は好きだ。
高校からの親友、良子とのそれを楽しみに毎日を生きてる。
まあ、これが私の基本ライフ。
簡単に言えば「普通」
言わせてもらえるなら「普通バンザイ」
刺激的な毎日もイケメン王子もいらない。
ただ流れに身を任せて
普通に生きていければそれでいい。
そう思ってた。
そんな私の、普通が消えた。
「----あれ?」
ある朝目覚めたら
私の愛する普通が跡形も無く消え去っていた。
「ここは、どこだ。」
マジで
ここはどこだ。